TBSとWOWOWがテレビ局の垣根を超えて昨年、共同制作したドラマ『ダブルフェイス』（2012年10月放送）の制作チームが再結集し、連続ドラマ『MOZU』（原作：逢坂剛）が制作されることが16日、わかった。キャストも『ダブルフェイス』でダブル主演した西島秀俊と香川照之が再登板。女優・真木よう子を加え、かつてないスケールのドラマシリーズをつくり上げる。来年4月からTBSで『MOZU Season1 〜百舌の叫ぶ夜』を放送し、その後、同年夏にWOWOWで『MOZU Season2 〜幻の翼』を放送予定。

　逢坂氏のハードボイルド小説・百舌シリーズを、連続ドラマシリーズとして完全映像化。『ダブルフェイス』、『海猿』シリーズの羽住英一郎監督が全話の演出を一手に担う。

　『Season1』（TBS）では、従来の地上波連続ドラマのスケールを遥かに越えるエンターテインメント巨編を目指す。最愛の妻を爆弾事件で失った公安のエース・倉木尚武（西島）、愚直なたたき上げの刑事・大杉（香川）、事件の謎を解く鍵を握る公安警察官・美希（真木）。殺し屋「百舌」の存在の謎、公安の秘密作戦にまつわる悲劇、国家を揺るがす策略など、彼らの捜査の過程に起きるさまざまな出来事を圧倒的な迫力で描く。

　『Season2』（WOWOW）は、より映画的な枠組みの下、人間の深層心理に迫りながら一気呵成に物語が展開していくノンストップアクションサスペンスに。さらなる巨悪に挑む倉木たちに国境を越えた陰謀が立ちはだかる。国際的なテロリスト集団との激しい駆け引きが展開されていくうちに、やがて、平和な社会の裏に隠されてきた衝撃の真実が浮かび上がっていくストーリー。

　西島は「羽住組で、香川さんはじめ多くの素晴らしい俳優の皆さんと共演できることを喜ぶと同時に、『MOZU』という作品のハードルの高さに身の引き締まる思いです。今回は内容も撮影もよりハードなので、一層気を引き締めて臨んでいます。さらに良い作品が創り出せるよう、精一杯演じさせていただきます」とコメント。

　香川は「映画とドラマの境界線がますます曖昧になり続けている昨今、この羽住組は完全にかつての王道の映画手法に則って、バカ丁寧かつワイルドビートあふれる画角をこれでもかと提示してくる。今のテレビドラマに必要なものは、こんな一見無駄にも思える正統な真剣さである。重厚な時間が摩擦を起こしながら進む画を堪能してもらいたい」と力が入る。

　初参加の真木は「犯人は誰なのか？　黒幕は誰なのか？を解明していく物語で、ドキドキ、ワクワクしながら台本を読みました。公安警察官は普段身近ではなく、どのような仕事をしているのか情報も少ないので、演じる不安もありましたが、常に演じたことのない役に挑戦したいと思っているので、この役もその一つと思い撮影に臨んでいます」と話している。

　なお、WOWOWで放送された『ダブルフェイス 偽装警察編』が、2013年日本民間放送連盟賞の番組部門 テレビドラマ番組で優秀を受賞したことを受けて、WOWOWプライムで今月27日に『ダブルフェイス 潜入捜査編』（後3：10〜）と『ダブルフェイス 偽装警察編』（後4：45〜）を連続再放送。警察と犯罪組織、それぞれに潜入を命じられた2人の男が、やがて宿命的な出会いを迎える姿をスリリングに描いた2002年の香港映画『インファナル・アフェア』をリメイク。「潜入捜査編」は警察官でありながら犯罪組織の幹部となった男を主人公に、「偽装警察編」は犯罪組織から警察へ送り込まれた男を主人公に、薬物取引事件をめぐる警察と組織の激しい駆け引きをそれぞれの視点から描き、互いにリンクしたドラマとなっている。