11年に第35回講談社漫画賞・少年部門を受賞したベストセラーコミック『進撃の巨人』のアニメ版オープニングテーマ(前期・後期)を収録したシングル「自由への進撃〜」が、13年7月22日付シングルランキングで初動12.9万枚を売り上げ、2位に初登場した。アニメの人気とともに、好スタートを支えた背景には徹底した情報管理があった。
■ユーザーによるパロディ動画も人気の火付け役に
サウンドクリエイター・Revoが主宰する“幻想楽団”Linked Horizonが手がけた、アニメ『進撃の巨人』前期・後期OPテーマを収録したシングル「自由への進撃(紅蓮の弓矢/自由の翼/もしこの壁の中が一軒の家だとしたら)」が、13年発売のTVアニメタイアップシングルとしては、T.M.Revolution×水樹奈々による『革命機ヴァルヴレイヴ』(MBS・TBS系)のOPテーマ「Preserved Roses」(13年5月発売)の11.5万枚を上回る、初動12.9万枚を売り上げ、初登場2位を獲得した。
原作は、巨人が人間を食べるという凄惨なテーマにも関わらず、随所に散りばめられた伏線などのミステリー要素や、巨人と戦う人々の人間模様などの深みのあるストーリーで人気を獲得。最新刊までの累計部数は2000万部を超えている。前期OP映像も、放送開始直後からファンの注目を集め、ニコニコ動画などの動画投稿サイトに、ファンが投稿するパロディ動画が多数アップされた。
アニメ版のプロデューサーのひとり、ポニーキャニオンの木下哲哉氏は、「現在はニコニコ動画ですと二次使用でも音楽の著作権処理はしっかりとされる仕組みもありますし、主題歌のLinked Horizon、Revoさん側のご理解もあり、基本的には、本編をそのままアップするといった行為以外ならば投稿された動画は削除しないスタンスです。よほど悪質なものでない限り、“ポニーキャニオンの訴えにより削除されました”という表示は避けようという結論になりました」とコメント。ユーザー発信の投稿動画が火付け役となり、アニメはもとより、OPテーマ曲も多くのファンに愛されるものになっていったという。
■歌詞、フルサイズ音源を明かさない戦略も奏功
Linked Horizonは、Sound Horizonの活動で知られるサウンドクリエーターRevoが、他作品とのコラボレーションで音楽活動をする際のユニット名。Revoはゲーム・アニメへの造詣も深く、ニンテンドー3DS用ソフト『BRAVELY DEFAULT』の楽曲を収録した12 年8月発売のシングル「ルクセンダルク小紀行(彼の者の名は…[Vocalized Version])」も累積3.3万枚を売り上げた。本作も、原作のファンだったというRevoが制作したデモ音源に対して、原作者の諌山創氏をはじめ荒木哲郎監督を含めたスタッフからもイメージ通りと太鼓判が押され、スムーズに制作が進んだ。ファンからの称賛を集めた背景には、こうしたアーティスト側のアニメに対する理解の深さもある。
また、プロモーションでは、歌詞をシングル発売日までいかなる媒体でも一切解禁せず、6月5日からJOYSOUNDで配信が開始されたカラオケも“歌詞なし”となった。これが毎週放送されるOP映像への注目度を高め、パロディ動画が多数投稿されることにも繋がった。さらに、楽曲の配信も、TVサイズのみ。フルサイズの音源は、発売まで解禁されず、6月19日に1回だけ、渋谷駅前の街頭ヴィジョン全11面でフルサイズのMVを解禁しただけだった。このように、TVアニメ内で放送されているバージョン以外はまったく楽曲情報を明らかにしない戦略も、ファンの期待を増幅させた。
このほか、7月9日よりZepp DiverCityほか、東京・大阪・名古屋でトーク&ライブイベントをスタート。また、関東ではシングル発売直後の14日から後期の放送が始まり、後期OPテーマ「自由の翼」も披露。アニメはもちろん、WEB上やリアルイベントなど、多数でタッチポイントを作り、発売を盛り上げた。
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年7月22日号掲載)
13年7月22日付シングルランキングで初動12.9万枚を売り上げ、2位に初登場した「自由への進撃(紅蓮の弓矢/自由の翼/もしこの壁の中が一軒の家だとしたら)」Linked Horizon(PC)
■ユーザーによるパロディ動画も人気の火付け役に
サウンドクリエイター・Revoが主宰する“幻想楽団”Linked Horizonが手がけた、アニメ『進撃の巨人』前期・後期OPテーマを収録したシングル「自由への進撃(紅蓮の弓矢/自由の翼/もしこの壁の中が一軒の家だとしたら)」が、13年発売のTVアニメタイアップシングルとしては、T.M.Revolution×水樹奈々による『革命機ヴァルヴレイヴ』(MBS・TBS系)のOPテーマ「Preserved Roses」(13年5月発売)の11.5万枚を上回る、初動12.9万枚を売り上げ、初登場2位を獲得した。
アニメ版のプロデューサーのひとり、ポニーキャニオンの木下哲哉氏は、「現在はニコニコ動画ですと二次使用でも音楽の著作権処理はしっかりとされる仕組みもありますし、主題歌のLinked Horizon、Revoさん側のご理解もあり、基本的には、本編をそのままアップするといった行為以外ならば投稿された動画は削除しないスタンスです。よほど悪質なものでない限り、“ポニーキャニオンの訴えにより削除されました”という表示は避けようという結論になりました」とコメント。ユーザー発信の投稿動画が火付け役となり、アニメはもとより、OPテーマ曲も多くのファンに愛されるものになっていったという。
■歌詞、フルサイズ音源を明かさない戦略も奏功
Linked Horizonは、Sound Horizonの活動で知られるサウンドクリエーターRevoが、他作品とのコラボレーションで音楽活動をする際のユニット名。Revoはゲーム・アニメへの造詣も深く、ニンテンドー3DS用ソフト『BRAVELY DEFAULT』の楽曲を収録した12 年8月発売のシングル「ルクセンダルク小紀行(彼の者の名は…[Vocalized Version])」も累積3.3万枚を売り上げた。本作も、原作のファンだったというRevoが制作したデモ音源に対して、原作者の諌山創氏をはじめ荒木哲郎監督を含めたスタッフからもイメージ通りと太鼓判が押され、スムーズに制作が進んだ。ファンからの称賛を集めた背景には、こうしたアーティスト側のアニメに対する理解の深さもある。
また、プロモーションでは、歌詞をシングル発売日までいかなる媒体でも一切解禁せず、6月5日からJOYSOUNDで配信が開始されたカラオケも“歌詞なし”となった。これが毎週放送されるOP映像への注目度を高め、パロディ動画が多数投稿されることにも繋がった。さらに、楽曲の配信も、TVサイズのみ。フルサイズの音源は、発売まで解禁されず、6月19日に1回だけ、渋谷駅前の街頭ヴィジョン全11面でフルサイズのMVを解禁しただけだった。このように、TVアニメ内で放送されているバージョン以外はまったく楽曲情報を明らかにしない戦略も、ファンの期待を増幅させた。
このほか、7月9日よりZepp DiverCityほか、東京・大阪・名古屋でトーク&ライブイベントをスタート。また、関東ではシングル発売直後の14日から後期の放送が始まり、後期OPテーマ「自由の翼」も披露。アニメはもちろん、WEB上やリアルイベントなど、多数でタッチポイントを作り、発売を盛り上げた。
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年7月22日号掲載)
2013/07/20