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超低予算を武器に面白さ追求 ドラマ『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』

 国民的人気のロールプレイングゲームを大胆にも実写ドラマ化して業界内外から快哉を集めた『勇者ヨシヒコと魔王の城』の続編が、10月期のTX系列『ドラマ24』に登場。その前例のないスタイルに惹かれる人も多く、SNSなどでも話題が広がり、関連イベントやその後のDVDがヒット。放送がスタートした第2弾への制作に対する意気込みをプロデューサーの浅野太氏に聞いた。

■昨年放送に第1弾の熱狂的なファンの声に応えた

 テレビ東京系列の『ドラマ24』枠で昨年7月8日から12話にわたり放送されたドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』。その続編となる第2シリーズ『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』が今年10月12日より放送されることが決定した(金曜24:12〜)。国民的人気を誇る某冒険ロールプレイングゲーム(RPG)の斬新なオマージュ作品であり、「予算の少ない冒険活劇」として手作り感満載の戦闘シーンなどで独特の笑いを誘った第1シリーズは、24時台という時間帯ながら、熱狂的なファンがつき、11年のアマゾンの日本のTVドラマ部門でDVD 売上の第1位を記録。第2シリーズはファンたちの熱望に応えての放映となる。

 「反響で多かったのは、某国民的RPGの小ネタが好きというものでした。たとえば人の家に入って勝手に壷をガシャガシャ割ったりするんですが、ゲームの世界を実写でやると、こんなにシュールになるのかとか、鎧や刀など強い装備を一気に全部身につけるとこんなに不恰好になるんだとか。あとは、ふざけた設定の中で、実力派の役者陣が真剣に芝居をする面白さがたまらないという声でした」(テレビ東京 ドラマ制作室 主事 浅野太氏/以下同)

 脚本・監督はコメディ作品には定評のある福田雄一氏。同氏が長年温めていた本企画は「テレビ東京だからこそ実現できた」と浅野氏は胸を張る。

 「福田さんは『モンティ・パイソン』を愛していて、映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』から世界観をお借りしたようなシュールな冒険物がやりたいとおっしゃっていた。モンティ・パイソンはお金がないことを逆手にとった面白さがあります。低予算はマイナスイメージが強いですが、他局ではできないような企画をやっているテレビ東京のこの枠ではむしろそれはすごい武器になる。ただ『モンティ・パイソン』はさほど日本で知られていないので、冒険物の世界観は某国民的人気RPGからお借りしました」

 作品の性質的にネットとの親和性が良く、SNSのユーザーの多くがきっとドラマを支持してくれるであろうと予想して、早くからツイッターなどで戦略的にSNSを活用。それも人気を後押しした。スタートから1ヶ月後に新宿のライブハウスで開催したイベントは、チケット売り出し後10分も待たずに完売したという。

 ところで第2シリーズの特徴だが、「変えない勇気」と浅野氏が笑うように、第1シリーズと何も変わっていないことが最大のウリであり、ポイント。「それが続編を待ってくれている人たちが求めていること。変えるくらいならやらないほうがいい」と断言する。出演者も第1シリーズとまったく同じ役者陣が揃う。

 主役の山田孝之だが、企画段階だった当初、福田氏の中では、まだ主人公のキャラクターは明確には決まっていなかったそう。山田孝之が出演を承諾して初めて真面目で疑うことを知らない、お人よしで純朴なヨシヒコ像ができあがったという。

 「山田くんはとにかくまじめでストイック。どんなシーンも照れもなく、真剣に、その役に入り込んで演じる。山田くんは、こういう役者になりたいという目標を持ちたくないと言っているんですね。自分は作品のなかでいろいろな人間になりたいから色をつけたくないと。それを実践していますよね。その作品によって見え方、持っているものが全部違って見える。そこが魅力だし、僕はそういう役者さんとご一緒したいですね」

 役者の起用にあたっては、「今まで見たことのないことをやってもらい、自分の作品で役者さんの新たな一面を出す、それをいつも考えている」と浅野氏。それだけに「振れ幅の大きそうな役者に魅力を感じる」という。最後に、今後手がけてみたいドラマについて尋ねると、「報道に在籍していたときにドキュメンタリードラマを制作した経験から、今後もまた、実在する人物を描いたドラマを作ってみたい」と抱負を語ってくれた。



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