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君塚良一氏、『踊る』名セリフの裏側語る「人生を投影してきた作品」

 織田裕二・主演の人気シリーズ『踊る大捜査線』の脚本を15年間にわたり書き続けてきた脚本家・君塚良一氏が、ORICON STYLEのインタビューに応じた。サラリーマン刑事・青島俊作をはじめとする魅力的なキャラクターがどのように誕生し、さまざまな名場面はどう生まれたのか? 多くの人々を惹きつける“踊る”の裏側を明かした。

15年にわたり『踊る』の魅力的なキャラクターを生み出し、名セリフを書き続けてきた君塚良一氏 (C)ORICON DD.inc

15年にわたり『踊る』の魅力的なキャラクターを生み出し、名セリフを書き続けてきた君塚良一氏 (C)ORICON DD.inc

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 君塚氏はドラマ『世にも奇妙な物語』や、“冬彦さんブーム”を起こした『ずっとあなたが好きだった』など数々のヒット作を送り出してきた名脚本家の一人。そんな同氏にとっても“踊る”は「自分の人生を投影してきた作品。代表作であり特別な存在」という。

■“謎解き”や“聞き込み”など刑事ドラマのお約束を排除

 ドラマ制作決定時、新しい刑事ものを作るべくスタートしたのが“踊る”だった。それまでの刑事モノについて「決められた時間内で事件を描かなくてはならない。しかも捕まった後に犯人の動機も描かなくてはならないので、事件を追いかけるだけでいっぱいになってしまう」と分析していた。そこで、刑事モノのお約束である“謎解き”や入念な“聞き込み”を省くという大胆な手法に打って出た。

 「(極端にいえば)事件なんて何だっていい、犯人の動機なんてどうでもいいという設定。そうすると、ある種のコント的なこともできるようになるんです」と、思い切った脚本でユーモアたっぷりな世界観を創作。さらに、鋭い勘をそなえた青島の性格については、「『事件』と聞くとすぐに現場に走って行ってしまうような、直線的な人間にすることで時間短縮が可能になった」と、推理を省いての事件解決策として生み出されたものだったという。

 キャラクターを立てることに時間を費やした結果、“踊る”には青島をはじめ、室井慎次や真下正義、スリーアミーゴス(神田署長、秋山副署長、袴田課長)など、スピンオフで映画やスペシャルドラマが完成してしまうほど、視聴者の心を捉えた魅力的なキャラクターが続々と誕生した。

■名セリフは狙ってもダメ 「事件は会議室で〜」は重要ではなかった!?

 “踊る”はドラマ、映画ごとに語り継がれる名セリフが存在するが、君塚氏は「セリフは狙ってもダメなんですよ」と解く。劇場版第一弾での「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」は、もはや作品の代名詞とも言える一言だが、「いま脚本を読み直すと、それほど立てているセリフではないんです」と、意外な言葉がこぼれた。

 「本庁の室井さんとのやりとりのなかで、青島が文句を言っているセリフの一つ。僕としては、その前後のセリフを強く書いたつもりなんです。でも、本広(克行)監督はあのセリフがキーだと捉えた。織田さんもそう思った。だから叫んでいるし、ポイントにしている。そんなふうに僕とは違う捉え方をしてくれることによって、いくつもの名言が生まれているんです」。「みんなが自分の感性に従って作っているけれど、その感性が決してバラバラではなかった。本当に幸せな関係性です」としみじみ振り返った。

 改めて15年を経て、国民的ヒット作となった“踊る”について「代表作であり特別な存在です」と力を込める君塚氏。ファンとしては続編を望まずにはいられないが、「“踊る”にはこれまでは、次回作があるという可能性があったので、銃撃戦をやらない、カーアクションをやらない、犯人の動機を見せない、聞き込みシーンをやらないとかいくつかの“枷(かせ)”がありました。でも、今回でファイナルだと聞いたので、今まで禁じ手にしてきたものを使ってでも、最後の最後まで観客に楽しんでもらおうと、ありとあらゆる手を使いました。ですから、僕の中で次はないんですよね」と、笑みを見せて締めくくった。

 映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』は9月7日から全国公開。劇場版の前日譚を描いたSPドラマ『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』は1日(土)午後9時よりフジテレビ系にて放送。

 【ロングインタビュー】君塚氏が語る「青島俊作」誕生の瞬間


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