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【編集長の目っ!】アンジェラ・アキの“強さ”

■さまざまな表情を持った奥深い色――“BLUE”

 アンジェラ・アキがまた“強く”なったようだ。

 出産後復帰第一弾オリジナルアルバム『BLUE』(7月18日発売)のジャケットを見て、まずそう思った。初めてスカート姿を披露している(7月11日発売の先行シングル「告白」ででも披露しているが)。足元はいままでと変わらないコンバース。彼女の核となる、シンガー・ソングライターとして、創作者としての“プライド”、つまり“足元”の確固たる変わらないものを、このアルバムを作ることで、自分のなかで再確認できたことで、また一歩前に進めたのではないだろうか。その強さだ。

アンジェラ・アキ

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 確かに子どもを産んだこと、母となったことによる女性の強さが、人間の強さとして滲み出てきているのかもしれないが、それ以上にこのアルバムには、個人的にシンガー・ソングライターとしての彼女の“プライド”を強く感じてしまう。

 さまざまなラブソングを聴かせてくれている。特に言葉の鋭さ、生々しさはいつもにも増して威力抜群で、映像がすぐに浮かんでくる。どの曲も、詞もアレンジも含めて、すごく力が、気合が入っているはずなのに、徒然なるままに、という雰囲気を醸し出し、感じさせてくれるのがすごいところだと思う。詞に関しても、「恋の駆け引き」や「Foolish Love」では<本当は…本音は…>とリアルな部分をさらけ出したり、<迷いがあって当たり前、救いがないことだってあるよ>と、現実的な落としどころに持ってきたり、まさに彼女だからこそ言える、表現できることを、何のてらいもなくやってのけている。

 アレンジもそう。バラエティに富んだラブソングを、バラエティに富んだ曲調とアレンジで表現し、“自由”な感じを感じさせてくれる。まさに自由闊達な彼女そのもののようだ。詞とメロディーとアレンジ、そして彼女の声、歌がひとつになった時、必ず“希望”を残してくれるところも、これぞ“アンジェラ・アキ印”という感じだ。

 “BLUE”=“あお”という漢字は「青」、「蒼」、そして彼女の出身地・徳島県の名産品でもある「藍(あい)染め」の「藍」と3種類も存在する。それぞれが違う“あお”であり、それぞれが持つ印象、温度感も違う。そして英語では「憂鬱」という意味もある。このアルバムを通して聴くと、そんなさまざまな意味と表情を持つ“BLUE”というタイトルが付けられた意味が分かってくる。さわやかだけでなく、奥深い色の“BLUE”。奥深いラブソング。

 アンジェラ・アキの奥深さ、そして“強さ”を感じて欲しい1枚である。

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