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『家族のうた』、『クレオパトラな女たち』にみる満足度と視聴率の相関関係

 4月期ドラマの最終回が近づく中、視聴率で苦戦した『家族のうた』(CX)と『クレオパトラな女たち』(NTV)が、ひと足先に全8話で終了した。ドラマ満足度調査での2作の「作品全体」の評価は、『家族〜』が41.0%で23番組中13位。「主演」のオダギリジョーへの評価は初回46.2%と低めだが2回目では51.2%と伸びており、キャラクターや演技を評価する声は多かった。また『クレオパトラ〜』は、「作品全体」の評価は40.0%で14位。3話目には各項目が全て2話を上回っており、出演者でみると、「次回も観る」の理由に、綾野剛ら主役以外の出演者の名前をあげるコメントも多数見られた。

『家族のうた』満足度調査、1回目と2回目の推移

『家族のうた』満足度調査、1回目と2回目の推移

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 キャストに対しては一定の評価のあった2番組だったが、視聴率に反映されなかったのはなぜか。「オリジナルコンフィデンス」4/16号で検証した通り、ドラマ放送前の期待値が高く出る傾向にあるのは、放送前の認知度が高い作品である。この2作はともに原作がないうえ、『家族〜』は過去の作品との類似が指摘され、初回放送までその話題が続くというマイナス要素も影響したと考えられる。

 一方の『クレオパトラ〜』は美容整形をテーマにした意欲作だったが、プロモーション期間が短く、視聴者の関心を引くには至らなかったと言える。満足度調査の内容を詳しく見ると、「ストーリー、脚本」の項目で「1〜 5点」を付けた人が『家族〜』35.9%、『クレオパトラ〜』30.1%と、23作品の平均20.0%に対してとくに高いことから、この2作は他に比べて視聴者の好き嫌いがはっきり分かれる共通点があった。

 今クールは、初回の評価が高い作品が2話目以降も高評価をキープしたケースが多かった。放送を重ねるごとに評価が高まったのは『Wの悲劇』のみ。そういう意味では、初回でいかに視聴者の関心を引きつけるかがポイントとなった。

 また4月期に顕著だったのは、『リーガル・ハイ』、『鍵のかかった部屋』、『ATARU』など、コミカルでテンポのいい会話を楽しめる作品。その点、『クレオパトラ〜』は物語の性質上、笑いの要素は少なめ。『家族〜』のオダギリとユースケ・サンタマリア、貫地谷しほりらのやり取りも、“遊び”を求める視聴者を引き付けるほどのインパクトがなかったのかもしれない。描きたいテーマをブレずに突き詰め、役者の魅力もあった両作品だが、今期の“ヒットの条件”にはうまく当てはまらなかったと言える。(オリジナルコンフィデンスより)

■調査概要
調査期間: 4月3日〜5月18日(※)
対  象: 10代〜50代の男女 計500人
調査地域: 1都1道2府14県
 関東圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬)
 関西圏(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)
 その他(北海道・愛知・岡山・香川・福岡)
※テレビ東京が視聴できる道・県調査方法:インターネット調査
満 足 度:番組を視聴した人に、作品の満足度を10点満点で採点してもらい、8点〜10点(=満足)をつけた人の割合
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