|
感染するとゾンビ化するウィルスが蔓延する近未来の世界。その感染はゾンビ病ともいわれ、次第に体が腐って行き、その後、人としての意識がなくなり、最終的には人間を襲い出す。家族のひとりがそのウィルスに感染した時、家族は……世間は……。まるで病気が進行するように徐々に体が動かなくなり、時々意識を失くす姿は、決して非日常ではない。現代人の誰もがどこかに共感できる、異色であり野心的なゾンビ映画だ。
ヒガリノは、ウィルスに感染してしまった兄を世間から守り、支えていく妹を演じる。後ろは振り返らず、常にポジティブで健気なヒロイン。しかし、その姿の裏には表に出さない顔があり、それは普段のヒガリノ自身とも共通するという。「(役は)すごくポジティブなんですけど…、本当は自分に自信がなくて不安だから、それをみせないようにいつでも明るく振る舞うし、自分から率先して行動するんです。私も自分自身はポジティブかネガティブかといわれたらネガティブなほうなので、自分に近いのかなと感じました」。
映画出演2本目となった今作の撮影を通して、学んだことがあった。ヒガリノは、台本を読み込んで、役柄のバックグラウンドや心情など台本には書かれていない部分も想像して役作りを行う。しかし今回、菱沼(康介)監督からは「セリフを頭に入れれば、感情は後からついてくる」と、セリフだけを覚えてくるようにアドバイスを受けた。事前に作り込むのではなく、その場の役者同士のキャッチボールで感情が作られていくという演出。最初は不安と戸惑いを抱えながら臨んだ撮影だったが、最終的にはしっかりと監督の期待に応える演技をみせた。
しかし、完成した作品を観て撮影を振り返ると「やっぱりまだまだだなって。もっともっとお芝居をしたいなと思いました。今はまだ自分に自信が持てないから不安のほうが大きくて。それを楽しめるようになれたらいいなと思います」。すでに次への気持ちも整えている。女優業への熱い想いは言葉の節々から伝わってきた。
そんな彼女の気分転換とは「大音量で音楽を聴いて、脳内を音楽一色にするんです。そうすると無になれるというか、音楽にすべてを占領されるんです。つらいときとかいいですよ(笑)。ぜひやってみてください」。音楽といえば、今作のラストでは、ゾンビになる兄が大事にしていたギターをもった妹(ヒガリノ)がスクリーンに現れる。そのシーンは、それまでの重い気分を一気に振り払い、爽快感だけでなく感動すら与えてくれるだろう。音楽好きなヒガリノは「アフレコですごく叫びました。ロックな感じになっていてうれしかったです(笑)」。
(stylist:伊藤省吾/hair&makeup:宮本 愛)
監督・脚本:菱沼康介
出演:荒井敦史 ヒガリノ 川村亮介 阿久津愼太郎 しほの涼 永岡卓也 中島愛里
2012年2月11日(土)ロードショー
(C)2012「ライフ・イズ・デッド」製作委員会
公式サイト:http://lifeisdead.com/
2012/02/08