園子温、李相日、石井裕也らが劇場用映画監督デビューを果たした、第20回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップ作品『家族X』(吉田光希監督)が24日(土)より東京・ユーロスペースで公開される。
吉田監督は、統合失調症と若年性痴呆症の母と向き合う息子による、過酷な在宅介護の日常を描いた『症例X』でPFFアワード2008の審査員特別賞を受賞し、スカラシップ権を獲得。今作では、同じ家に住みながらもお互いに関わることをいつの間にか失ってしまうという、奇妙に見えて、よくありそうな、とある家族の微妙な関係を優しく静かに描き出す。
「“家族”を題材とした映画がたくさんある中で、それでも映画にしてみたかったのは、家族という関係をつなぎとめているのは、一体何なのかを知りたいと思ったから。血縁や婚姻の事実だけではなく、何が足りなくなると家族という関係は危うくなるのか、日常に埋もれ、見過ごしているかもしれない家族のつながりを発見するきっかけにしたいと思いました」
舞台は東京郊外の新興住宅地。素敵なマイホームを手に入れた橋本家の専業主婦・路子(南果歩)は、今日も洗濯物を干し、夫のワイシャツを用意し、テーブルクロスを入念に整える。黙々と夕食を作り、食卓に並べるが、いつの頃からかそれは誰にも見向きもされなくなっていた。失職の危機にある夫・健一(田口トモロヲ)とは会話もなくなり、就職浪人の息子・宏明(郭智博)はアルバイトと自室の往復ばかり。路子は説明のつかない深い孤独感を募らせ、少しずつ追い詰められていく…。
「僕もひとり息子なので、脚本を書いている時は宏明に自分を重ねていたが、撮影を始めたら路子さんに自分を重ねるようになっていった」と吉田監督。路子に感情移入し過ぎるあまり、監督が泣いてしまって撮影が中断してしまったこともあったという。それは、路子役の女優・南果歩の演技力によるものも大きいだろう。「自分の想いが家族に届かない哀しさは、主婦特有のものではなくて、日常生活のどこにでも、誰にでも起こりうる哀しさ、孤独さなんだと撮影しながら見えてきた。俳優さんの力で、僕のシナリオだけでは完結しなかったところに映画が着地できたと思う」
吉田監督は、1980年東京都生まれ。東京造形大学在学中より塚本晋也監督作品を中心に映画製作現場に参加し、美術助手、照明助手、助監督などを経験。大学卒業後は、製作プロダクションでCMやPVを制作するかたわら、自主制作で映画を撮り続けてきた。
「無理やりにでも撮り続けないと映画監督ではいられない。今回、海外の映画祭にも参加させてもらって、劇場公開もできるのはすごく大きい。いろんな意味で出会いが広がりました。世界や社会と関わりを持つというのは、つまりそれが生きるってことだと思う。僕にとっての映画がまさにそれ。自分の救いにもなっているんです。インディーズにこだわることもなく、シネコンでかかるような映画も撮ってみたいと思っています。30代に何ができるかですね」と自分に期待をかけていた。
【動画】映画『家族X』予告編⇒
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吉田監督は、統合失調症と若年性痴呆症の母と向き合う息子による、過酷な在宅介護の日常を描いた『症例X』でPFFアワード2008の審査員特別賞を受賞し、スカラシップ権を獲得。今作では、同じ家に住みながらもお互いに関わることをいつの間にか失ってしまうという、奇妙に見えて、よくありそうな、とある家族の微妙な関係を優しく静かに描き出す。
舞台は東京郊外の新興住宅地。素敵なマイホームを手に入れた橋本家の専業主婦・路子(南果歩)は、今日も洗濯物を干し、夫のワイシャツを用意し、テーブルクロスを入念に整える。黙々と夕食を作り、食卓に並べるが、いつの頃からかそれは誰にも見向きもされなくなっていた。失職の危機にある夫・健一(田口トモロヲ)とは会話もなくなり、就職浪人の息子・宏明(郭智博)はアルバイトと自室の往復ばかり。路子は説明のつかない深い孤独感を募らせ、少しずつ追い詰められていく…。
「僕もひとり息子なので、脚本を書いている時は宏明に自分を重ねていたが、撮影を始めたら路子さんに自分を重ねるようになっていった」と吉田監督。路子に感情移入し過ぎるあまり、監督が泣いてしまって撮影が中断してしまったこともあったという。それは、路子役の女優・南果歩の演技力によるものも大きいだろう。「自分の想いが家族に届かない哀しさは、主婦特有のものではなくて、日常生活のどこにでも、誰にでも起こりうる哀しさ、孤独さなんだと撮影しながら見えてきた。俳優さんの力で、僕のシナリオだけでは完結しなかったところに映画が着地できたと思う」
吉田監督は、1980年東京都生まれ。東京造形大学在学中より塚本晋也監督作品を中心に映画製作現場に参加し、美術助手、照明助手、助監督などを経験。大学卒業後は、製作プロダクションでCMやPVを制作するかたわら、自主制作で映画を撮り続けてきた。
「無理やりにでも撮り続けないと映画監督ではいられない。今回、海外の映画祭にも参加させてもらって、劇場公開もできるのはすごく大きい。いろんな意味で出会いが広がりました。世界や社会と関わりを持つというのは、つまりそれが生きるってことだと思う。僕にとっての映画がまさにそれ。自分の救いにもなっているんです。インディーズにこだわることもなく、シネコンでかかるような映画も撮ってみたいと思っています。30代に何ができるかですね」と自分に期待をかけていた。
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2011/09/23