シリーズ続編に出演することの怖さも…──ファン待望の人気作が『劇場版 SPEC〜天〜』とスペシャルドラマ『SPEC〜翔〜』で帰って来ました!当麻と瀬文に久々に会えるのは、当事者としても待ち遠しかったのでは?
【戸田】 そうですね。ただ、私は今まで続編に出演させていただく機会が多かったので、続編に参加することの怖さも知っていました。役者として少なからず経験を重ねて前に進むなかで、ただ過去に戻るわけにはいかないけれど、ある程度当時の自分に戻さなくてはいけないので自分のなかに矛盾が生まれてしまう。その悩みはありましたが、楽しみでもありましたね。 ──『SPEC〜翔〜』を経た『劇場版 SPEC〜天〜』では、当麻と瀬文のキャラクターも作品の世界観と同様に“進化”していますね。同じ役柄でも今回はチャレンジだったのでは?
【戸田】 スペシャルドラマ『SPEC〜翔〜』の当麻は、もう一度自分が置かれた状況を見つめ直します。瀬文が当麻を引き戻してくれる過程での葛藤を描いていて、『劇場版 SPEC〜天〜』では引き戻された当麻がこれから先どうしていくかという苦悩を強く描いています。その意味では初めて表現するお芝居が多かったので、とても難しかったですね。 今の時代に合った不思議なバランス── 一方で今回の『劇場版 SPEC〜天〜』はおなじみの堤ワールドが炸裂していて、怒涛のギャグ攻撃も話題を集めそうです。ミステリアスなフィクションの世界観と、注入される現実的なギャグとのバランス、距離感を測る作業は、演じ手としては今回いかがでしたか?
【戸田】 いつも葛藤していました(笑)。『SPEC』の世界観に現実世界のギャグが入ることでリアル感が増すので、本筋から外れてしまいそうな“疑い”があるじゃないですか(笑)。ただ、私たちは堤監督を信じていればよくて、役者は作品の歯車でいなければいけないという考えも基本的にはあるので、それを受け入れて演技をするだけですよね。 ──さて、今回の『劇場版 SPEC〜天〜』で“すべての謎に終止符が打たれる”ようですが、改めて『SPEC』の世界観を体験した感想は?また、今後も当麻と瀬文を演じたいと思いますか?
【戸田】 私はどの監督、どの作品に出ていても充実感を得ているので毎回楽しく演じさせていただいていますが、堤監督のような演出をされる方はほかにはいらっしゃらないので、その世界にいられた意味は大きかったです。『SPEC』という作品や当麻というキャラクターを通じて堤ワールドに染まれたことは、すごくいい経験になったと思います。 ※未詳(ミショウ):警視庁公安部第五課未詳事件特別対策係 (文:鴇田 崇/撮り下ろし写真:逢坂 聡) PROFILE
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加瀬亮 劇場版SPEC〜天〜 |