気鋭の講談師も絶賛 吉岡里帆の“ラジオ力”
“1対1のメディア”「ラジオ」が引き出す会話力
そんな吉岡だが、実は業界内で特に評価を集めているのが、彼女の会話力だ。インタビューしたほぼすべての取材者が、インタビュー時の彼女の受け答えを絶賛。「質問に対する理解力が高い、頭の回転が速く、こちらの意図や期待以上の答えが返ってくる」といった声は良く聞かれる。このようなコミュニケーション力の高さは、ドラマや映画等の撮影現場でも良い影響を与え、それが実際の演技にも繋がっていると思われる。
こうした吉岡のコミュニケーション力が良く表れるのが、一般的に“リスナーとDJの1対1のメディア”とも称される「ラジオ」だ。ラジオDJに求められるリスナーへ語りかける力、ゲストの魅力を会話だけで引き出していく力、いわゆる“ラジオ力”が必要とされる現場だからこそ、彼女の力が発揮される。
吉岡は2016年4月より現在まで、毎週日曜夕方6時から約1時間のトークと音楽を主軸とするラジオ番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(J-WAVEなど、JFL5局同時ネット)にて、ナビゲーターを務めている。同番組では毎週、多彩なゲストを招き、日ごろの仕事の内容からプライベート、さらには思い出の街など、ゲストの話を吉岡が巧みに引き出していく。この吉岡とゲストの会話が番組の最大の魅力だ。
例えば8月12日には今年に入り、急激に認知を広げている気鋭の講談師・神田松之丞が出演。吉岡は、番組の序盤、少し“よそいき”な印象を感じさせる松之丞に向かって、時に突っ込みも入れながら空気をほぐし、実際に披露された迫力ある講談の一席については、「一瞬この場所にいなかったかのような気持ちになった」と表現。このコメントも、実際に聴いていた多くのリスナーは強く共感したのではないだろうか。さらに、師匠や妻への想いなど、仕事からプライベートな話まで実にテンポ良く引き出していた。この回でのトークについてはゲストの松之丞も手応えを感じたようで、その後、TBSラジオの自身の番組で「ハネた」と語り、他局の番組にもかかわらず、リスナーにアピールするなど実に満足げだった。
ゲストとの会話から感じたことを“自分の言葉で表現”
「リスナーにもゲストにも常にリスペクトの気持ちを持って向き合う姿勢が素晴らしいです。進行台本はありますが、自分の言葉で表現できる、また、ゲストの気持ちをほぐすことが自然にできることが魅力です」(徳山氏)
近年、radikoの登場などもあり、ラジオは多くの世代で再評価され始めている。その中においても、吉岡の“ラジオ力”は一聴の価値アリと言える。日頃、ラジオを聴く習慣のない人でも、この番組を通じてラジオの楽しみが体験できるのではないだろうか。
『UR LIFESTYLE COLLEGE』
J-WAVEなど、JFL5局同時ネット
毎週日曜18:00〜18:54
ナビゲーター:吉岡里帆