日本の伝統文化“花火大会”が変わる テクノロジーとエンタメが融合した『東京花火大祭〜EDOMODE〜』
伝統的な江戸文化と最先端テクノロジーの東京をフュージョン
「現代の花火は、デザインから打ち上げまでをコンピュータでプログラミングする、伝統とテクノロジーが融合した芸術として進化しています。ところが花火師の継承者は減っている。子どもたちの自己実現を通して、日本が世界に誇る伝統文化を未来に繋げるのもこのイベントの趣旨の1つ。近年、IT業界も続々と花火に注目していますが、花火師がYouTuberのように子どもの憧れの職業になる可能性はあるはずです」
芸能・音楽と花火の融合にも注目したい。米津玄師「Lemon」、Perfume「無限未来」といった楽曲と花火のコラボした、エンタテインメント性あふれる豊富なコンテンツが用意されている。
「「Lemon」は、MVがYouTubeで1億回再生を突破した記念のコラボです。遠くに行ってしまった大切な人を思って歌われたこの楽曲が、お盆休みに入るこの日、東京の夜空を彩ります。またラストを飾る「無限未来」は、東京を象徴するようなPerfumeのイメージと、壮大で神秘的な楽曲の雰囲気が、まさにこの花火大会のコンセプトにマッチしていたことからコラボが実現しました。東京の未来への進化と飛躍を思わせる演出を予定しています。アーティストは登場しませんが、楽曲とシンクロした形で花火が上げられるのもテクノロジーの賜物です。川越藩火縄銃鉄砲隊の空砲で始まり、江戸時代から現代までをストーリー立てた内容となっています」
収益化することが花火(伝統文化)を未来に継承するカギ
「特にペア席やファミリー席が好評です。またいずれの席種にもプラスプライスで最前列を用意したのですが、真っ先に完売しました」
なお、動員は約2万人を予定。数十万人を動員する他の東京の花火大会と比べれば、かなりのゆとりを持って観覧ができるだろう。今回の券売状況からも、お金を払って価値のある体験をしたいという層は確実に増えているようだ。
「安全性や快適性を設計した上でのチケットの価格設定となりました。券種によってできる体験はやや異なりますが、来場したすべての方に満足していただけるサービスを提供したいと考えています」
長らく日本人の間には「花火大会=無料」という価値観があった。しかしそれが混雑を引き起こし、花火を楽しめなくなるばかりか、事故すら起きた事例もある。また、協賛企業の獲得や花火職人の確保など、さまざまな問題によって花火大会の現状は芳しくなく、全国的に中止となっている花火大会は多い。
「民間が参入することでサービスやコンテンツを充実させ、収益化することが花火という伝統文化を未来に継承する鍵ではないでしょうか。エンタメ性あふれる大型イベントとしての花火大会の可能性を『東京花火大祭〜EDOMODE〜』で開花させたいと思っています」
(文/児玉澄子)
『東京花火大祭〜EDOMODE〜』概要
開催場所:東京・お台場海浜公園
開場/16:00 打上/19:10 終演/20:30
打ち上げ数:最大5号玉、約12,000発
有料エリア:お台場海浜公園内
お問い合わせ:東京花火大祭事務局 03-5656-8757<平日のみ 10:00〜17:00/8月11日のみ 10:00〜21:00>
『東京花火大祭〜EDOMODE〜』オフィシャルサイト(外部サイト)