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クールジャパン機構、SME代表取締役やレコ会長を歴任した北川直樹氏が新社長就任 新役員体制による今後の方針を発表

左からクールジャパン機構の専務執行役員・若井英二氏、代表取締役社長 CEO・北川直樹氏、専務取締役 COO兼CIO・加藤有治氏

左からクールジャパン機構の専務執行役員・若井英二氏、代表取締役社長 CEO・北川直樹氏、専務取締役 COO兼CIO・加藤有治氏

 日本のコンテンツやサービスの海外進出等を支援するクールジャパン機構が本年6月に経営体制を刷新。新たに元SME 代表取締役の北川直樹氏は社長に就任。7月30日には新体制による今後の方針が示された。

波及効果が生まれる投資を行っていく

  • クールジャパン機構の代表取締役社長 CEO・北川直樹氏

    クールジャパン機構の代表取締役社長 CEO・北川直樹氏

 日本の魅力ある商品・サービスの海外需要開拓に関連する支援・促進を目的として13年11月に設立された官民ファンド「クールジャパン機構」の新代表取締役社長CEOに、元ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役 コーポレイト・エグゼクティブ CEOで、日本レコード協会会長も歴任した北川直樹氏が就任し、また、専務取締役COO兼CIOには、元ペルミラ・アドバイザーズ日本法人 代表取締役社長の加藤有治氏が就任。7月30日に新役員体制についての記者会見が行われた。

 北川新社長は、「事業会社の経験はあるが、投資専門の会社は経験がなく、正直、自分に務まるのか?という迷いもあったが、機構側から“むしろエンタテインメント事業会社の経験を活かしてほしい”と言われたことも後押しなった。また、お世話になったエンタテインメント業界は以前から海外展開の機運が高まっており、実際、自分もその困難さを味わった。私が参加することでエンタメ業界のそうした動きの一助になればという思いもあった」と経緯を説明した。

 今後については、基本方針は変更せず、メディア・コンテンツ、ファッション・ライフスタイル、食・サービスを注力分野とし、「これまでどおり民間ができないようなリスクの高い案件へのチャレンジを行っていく」と展望を語った。

今後の投資方針を説明する専務取締役 COO兼CIO・加藤有治氏

今後の投資方針を説明する専務取締役 COO兼CIO・加藤有治氏

 また、「まったく未知のことにチャレンジした前任の経営陣には本当に敬意を持っている。エンタメに携わってきた私が投資していくということをどう考えるか。例えば1つのドラマには主人公の髪型、乗っている車、家の家具に至るまで、そのなかで描かれているライフスタイルすべてがコンテンツになり、広く波及していく。このような波及効果が生まれる投資を行っていきたい」と意気込みが語られた。

 また、最後に「会社全体の損益のバランスも重要。投資の精度、人件費を含めたコストの精査」なども課題として挙げられた。

 一方、加藤氏は投資の実行部隊として、「政策目的と収益性のリバランス」と「投資規律のさらなる強化」を掲げ、「(1)キャッシュフロー投資重視、(2)現地パートナー重視、(3)グローバルシナジー追求、(4)投資手法の多様化、(5)ポートフォリオ最適化」の5つの方針を示し、今後については「世界が求める日本の商品・サービスを“外の目で再認識”し、日本の新しいグローバルな成長を支援する投資会社」を目指していくと語った。

これまでの投資案件についても精査 現地パートナーも重視

これまでの投資実績を説明する専務執行役員・若井英二氏

これまでの投資実績を説明する専務執行役員・若井英二氏

 なお、これまでの5年間での投資案件は29件で約620億円。これらについて、「大多数は順調に事業展開されている」と報告された一方で、継続してホールドしていくことが困難と判断した案件については早期のエグジットも検討していくとした。

 実際、6月8日には、マレーシア・クアラルンプールにおけるクールジャパン発信の拠点となる商業施設事業を、共同投資パートナーでもあった三越伊勢丹ホールディングスの100%子会社、ISETAN OF JAPAN SDN. BHD.へ株式を譲渡する契約が締結されている。これについて加藤氏は「バッドニュースファーストになってしまうのは仕方がないこと。14年から投資を開始し、5年が経過したところであり、うまくいっているものは長期で持つという基本方針は変わらない」と語っている。

 設立時から同機構の舵取りを担った前代表取締役社長 CEOの太田伸之氏は、松屋 常務執行役員などを歴任した“小売り”のスペシャリスト。そのため、クールジャパン機構においても、コンテンツごとの海外進出支援と同時に、中国、シンガポールなどでのクールジャパン発信の拠点となる商業施設事業への出資も積極的に行うなど、“食”“小売り”に関する動きも素早かった。

 一方で、前経営陣による出資案件では、“ジャパンブランドは質が高い=高級”というブランディングを重視。本誌インタビューでも太田氏は「ジャパンブランドは高い。それでもほしいと思ってもらうことをブランディングの柱する必要がある」と語っていた。それが結果として、マーケットを狭めることになったという認識はクールジャパン機構側にもある。そのため新体制では「現地パートナー重視」の方針を掲げ、“外の目で再認識”することの必要性を強調している。

 また、アウトバウンドだけでなく、同機構が呼び水となり、海外企業を日本国内に連れてきて事業展開するなど、外資を活用しながらインバウンドにも注力していくという方針も示されており、先述した5方針にもあるように、今後は“オールジャパン”体制から、“グローバルシナジー”へと視野を広げていくこともカギの1つになりそうだ。

 もちろん日本レコード協会会長も務めた北川氏が、音楽業界の展開においてもどのような投資を行っていくのかも大いに注目されるところ。これについても“グローバルシナジー”が重要になっていくだろう。

提供元: コンフィデンス

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