歌うべくして演歌を歌う19歳、朝花美穂は歌と踊りの二刀流

 5月9日、「なみだの峠」で歌謡界に登場した朝花美穂。デビュー曲は、歌舞伎や浪曲に通じる物語性を持った母モノ。セリフ入りの古風な演歌・流行歌スタイルを取りながら、古臭くないのが“朝花流”。その歌声で、新たな演歌の時代の幕開けを、高らかに告げる。

最近はカラオケボックスで「俵星玄蕃」や「大利根無情」を歌っています

――オフには何をしていることが多いでしょう。
朝花 時間があればカラオケボックスに行って歌っています。最近は自分のCDを持って行って練習をして、ほかには「俵星玄蕃」や「大利根無情」などを歌っています。

――好きな食べものは何でしょう。
朝花 お寿司とアボカドが大好きで、お寿司ではハマチが好きです。

――行ってみたい場所はどこですか。
朝花 京都です。以前にも行ったことはあるんですが、ゆっくりと観光をして回りたいです。

――朝起きてまずすることは?
朝花 洗顔、歯磨きと、洗濯です。時間があったり、気が向いたりした時は朝食も作ります。料理をするのも大好きなので。

――得意料理は何ですか。
朝花 茄子とピーマンの揚げ浸しが簡単な割においしいと言われます。

――家事は得意ですか。
朝花 特に教わったというわけはないんですが、母がするのを見ているうちに自分でもできるようになってきました。

――デビュー曲の「なみだの峠」が、昭和の中頃までの曲ではないかと思えるような作りの作品だったので、それを歌う朝花さんがどんな19歳なのかを探ってみようといくつか質問してみました。平成の匂いよりも昭和の香りの方が、より感じられるような気がします。
朝花 やはり演歌や踊りを教えてくれた祖母の影響が強いと思います。

学校の同級生より、お年寄りとの方が話が合いました(笑)

――おばあさんはどんな方なんでしょう。
朝花 カラオケ喫茶を開いていて、歌と踊りが大好きです。私はそこに物心ついた時から通っていましたので、自然に演歌が好きになっていました。

――では、子どもの頃から『紅白歌合戦』を観る時も、J-POPやアイドルの皆さんよりも演歌歌手の方々を主にご覧になっていた?
朝花 そうです。

――CDのコレクションも演歌が多いですか。
朝花 演歌ではないものは持っていないと思います(笑)。

――そうなると同年代の友だちとは歌や芸能界の話がほとんど合わないでしょう
朝花 学校の同級生より、祖母のお店に通っていらっしゃるお年寄りとの方が話が合いました(笑)。

――演歌ファンの減少が懸念された平成も終わろうというところで、こんなに演歌の好きな10代が現れるとは意外にも思えます。また、朝花さんの印象も、イマドキの若い女性にしては素朴に思えます
朝花 演歌が好きなのは、先ほども言いましたように祖母がいたからで、素朴だと言われるのは、鳥取の米子市という土地で育ったせいだと思います。中高生が遊ぶ場所もあまりありませんし、スターバックスが出来たのが、都道府県としては最後という土地ですから。

何でもやらせていただきたいですし、海も越えてみたいです

――環境の影響も大きいと思いますが、朝花さん自身が演歌に惹かれるものもあったでしょう。演歌のどんなところに魅力を感じますか。
朝花 よく言われることですけれど、日本の心が描かれていると思うので、聴いていると日本に生まれて良かったとか、日本人で良かったと思います。そして同時に、元気になれたり勇気が湧いたり、その曲で踊ってみたくなったりして、心が動かされます。
――演歌を聴いて踊りたくなりますか。
朝花 はい。もちろん歌うのも好きですが、踊るのも好きですので。それに印象的なアレンジの曲を聴いたりすると、どんな踊りを付けたらいいだろうとか、小物はどんなものを使おうかなんて考えるのが、とても楽しいんです。

――朝花さんが、自分自身で表現の仕方を考えていける人ならば、昭和の歌を取り上げても、平成生まれの感覚を活かして、昭和とは違う歌い方や踊り方を生み出せるでしょうから、それが楽しみになりますね。
朝花 時代が変わって便利になったり、よくなったりすることも沢山ありますけど、古くても大事なことや守りたいことがあって、演歌ではそういうものがテーマになっていることが多いと思うんです。曲の良さと同時に、歌詞に書かれた大切なものも歌を通して伝えていけたらと思います。

――日本的な考え方や意識、文化の魅力は海外でも高く評価されていますから、インターネットなどを通じて海外で受け入れられる可能性もありますね。
朝花 そういう展開ができるのは、この時代に生まれたからだと思うので、活かしていけたら嬉しいです。

――歌だけでなく、踊りでもアピールできるわけですから、歌と踊りの二刀流で海を越えていけたらいいですね。
朝花 まだまだ駆け出しですが、できることは何でもやらせていただきたいですし、海も越えてみたいです。

私はどんな歌が歌えるんだろうと考えるとワクワクします

  • 朝花美穂「なみだの峠」

    朝花美穂「なみだの峠」

――「なみだの峠」は、事情があって子どもを手放した母親の歌です、しかもセリフ入りの。19歳の朝花さんが達者に表現されているのに驚きました。
朝花 もちろん体験のないことですから、詞を繰り返し読みながら、イメージを掴んで表現しています。小学生の頃に初めてセリフ入りの「おつう」という歌を歌ったんですが、祖母に感情の入れ方を教わるうちに、これが歌の世界に入るということか…と感じることがありまして、それからはセリフ入りのものも好きになって、今でもよく歌っています。

――それで最近は「俵星玄蕃」などを歌っていらっしゃるということなんでしょうが、よくあんな難しい歌を選びますね。
朝花 難しそうでもチャレンジがしたいんです。私にはどんな歌が歌えるんだろうと考えるとワクワクします。今でもメジャー調もマイナー調も、男歌も女歌も、何でも歌いますので、これからもいろいろな曲を歌って勉強を重ねて、早く一人前の演歌歌手として認められるようになりたいと思っています。

――次の時代の演歌界をリードしていく、若手の1人として期待しています。
朝花 ありがとうございます。焦らずに一歩一歩を大切に頑張っていきますので、読者の皆さまも応援をどうぞよろしくお願い致します。

文/寧樂小夜

提供元: コンフィデンス

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