大好きな音楽への熱いハートを燃やして10年 さらに熱いこれからに向かって走裕介、走る!

 歌謡界の大家・船村徹氏に才能を認められ、船村氏作曲の「流氷の駅」でデビューした走裕介が10周年を迎え、2月7日に記念曲「北のひとり星」を発売した。同時に全国コンサートツアーもスタートさせた彼に、節目の年に歌に注ぐ想い、今後への意欲などを聞いた。

普段からの心がけが大事だと自分に言い聞かせています

──音楽業界が大きく様変わりをする時期にデビューされて10週年を迎えられました。時には厳しさを感じることもあったと思いますが。
 デビューからお世話になっていた事務所がプロダクション業務から撤退することになった時には、これからどうなるんだろう?と不安になったこともありましたけど、幸い今の事務所に移らせてもらえて、10週年を迎えることができたのは本当にありがたいことだと思っています。感覚としては早かったなと思うんですが、振り返ると本当にいろいろなことがあって、たくさんの方の応援や支えがあったからこその今ですから、感謝の気持ちが一番大きいですね。

──年々CDの売り上げが減少する時代にあって、変化を実感することも多々あるでしょう。
 まず、以前よりもいろいろな場所に出向くことが多くなりました。待っていても売れる時代ではないので、イベントやステージ、番組出演などの合間にキャンペーンという形でお客様と接する機会を作っていただいて、そこで買っていただくことが増えました。1枚を売る重みというものが変わってきていると思います。直接、触れ合うことが多くなっているので、接し方や印象についても気を配りますが、接客用に作った自分では見抜かれてしまいますから、普段からの心がけが大事だと自分に言い聞かせています。

──作品や歌唱力と同時に、人としての魅力を問われる度合いが増しているということですね。
 ご夫婦やご家族3世代でファンになってくださっている方も多くて、そういう方たちにとって走裕介は、共通の趣味であり話題にしていただいているようなんですが、気に入っていただけると、家族ではないのにとても熱心に、親身になって応援してくださるんです。その分、お応えしなければという気持ちが強くなりますね。

特に今、ステージが楽しくて仕方ないんです 走裕介のイメージを拡げられる展開を積極的に

──そんな熱心なファンの声援を受けての10周年記念コンサートが、2月からスタートしていますね。
 オリジナル以外に、船村先生のお書きになったものをはじめとした演歌・歌謡曲の名曲をメドレーでお届けしたり、ギターの弾き語りでお聴きいただいたり、J-POPを歌ったりと、趣向を凝らして楽しんでいただいています。曲目は会場ごとに変えていて、北海道では安全地帯や松山千春さんの曲を披露して好評をいただきました。

──走さんは音楽のベースが、演歌ではなくロックなので、かなり幅広い内容でステージを作れますよね。また、オリジナル曲にしても、例えば10周年記念の新曲「北のひとり星」には、演歌の枠に収めきれない印象があって、広い層のリスナーに受け入れられる豊かな可能性を感じます。
 以前に『エンカのチカラ プレミアム 青盤』という企画アルバムに参加させていただいて、尾崎豊さんの「I LOVE YOU」を歌ったんですが、それを聴いてくださった制作会社の方が、テレビ番組で秦基博さんの「ひまわりの約束」を歌わせてくださったんです。自分でも好きな歌でしたし、走裕介のイメージを拡げてくれるという意味で、とても良い機会をいただけたと思いました。そこから、そういう展開をもっと積極的にしていきたいという気持ちが強くなりましたね。

──走さんはKATZE(1986〜1991年に活動したロックバンド。代表曲は「STAY FREE」)が好きだったそうですから、演歌の分野で活躍するようになっても、その根底には「STAY FREE」が流れているのではないでしょうか。
 今でもいいなぁと思いますから、それはあるかも知れません。

──例えば演歌を歌っても、「自由でいよう」という「STAY FREE」に通じる、「まず走裕介自身であろう」とする「STAY HASHIRI」のマインドが個性にも繋がっていると思います。これからのステージをはじめとした活動がますます楽しみになってきます。
 嬉しいです。楽しみにしてください。特に今、自分自身、ステージが楽しくて仕方ないんです。デビューの頃は緊張でガチガチになっていたんですけど、だんだんとアドレナリンを出す方向の緊張感に変わってきたんです。これも10年歌ってこられたことの成果かなと思うんですが。

僕はこれから何ができるだろう、っていう楽しみが大きくて

──坂を登るほどに疲れるのではなく、先が楽しみになっている感じ、良いですね
 音楽業界は厳しい状況にあるという見方もありますけど、僕はこれから何ができるだろうっていう楽しみが大きくて、仕事を離れても音楽漬けというような生活を送っています。休みがあれば、起きてすぐCubase(音楽制作ソフト)を立ち上げて、曲を作ったりレコーディングしたり。ギター以外にベースも弾きますし、電子ドラムも買いました。音楽に触れているのが本当に楽しいんです。

──そうなると、それが今後の活動にどう活かされてくるかが楽しみです。
 自分で作ってみることで、作家の先生方にいただいた作品の解釈が少しでも深くなればという気持ちもありますし、活かしていけたら嬉しいですよね。
  • 走裕介「北のひとり星」

    走裕介「北のひとり星」

──師匠の船村徹さんは保守的な作家ではありませんでしたから、その弟子である走さんにも革新的な活動を期待したいと思いますが、話を聞いていてその気持ちが強くなってきました。ところで、その節目を飾る「北のひとり星」について、紹介していただけますか。
 詞もメロディーも素晴らしいんですが、アレンジが印象的で、風の音で始まって風の音で終わり、ピアノの音がとても心地良いんです。きっと気持よく聴いていただけると思いますし、歌っていても気持ち良いんです。最後の一行に主人公が「お前」に向ける想いが凝縮されていて、胸に訴えるものがあると思うんですが、僕もそれが伝えられるように歌っていますので、どうぞお聴きになってみてください。

──また、カップリングの「居酒屋『津軽』」は、過去に細川たかしさん、船村徹さん、ちあきなおみさんがレコーディングされている曲のカバーですね。このお三方に次ぐ4人目というのは、走さんが高い評価を受けている証だと思います。
 いやぁ、恐れ多いです。でも、光栄なことですので、カップリングではなく、こちらもメイン曲のつもりで心を込めて歌わせていただきました。名曲と言われている作品ですので、ぜひ「北のひとり星」と合わせてお聴きいただきたいと思います。

──聴くにはまずはCDかダウンロードでしょうが、一番は生歌ですから、どのような構成がされるのかも楽しみに、多くの方にコンサートにお出かけいただきたいと思います。
そして、走さんにはますます面白くなっているはずの20周年に向けて走り続けていただきましょう。
 ありがとうございます。皆さんのご来場をお待ちしています。そして、これからも走裕介、走ります(笑)!

文/寧樂小夜

提供元: コンフィデンス

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