【週間ヒット分析】欅坂46「ガラスを割れ!」3.5万DL “曲で聴かれる”アイドルへ

 フィジカル(CD)・デジタルダウンロード・サブスクリプションとチャート情報を横断的に分析し、ヒットの兆し・経路を追う「週間・楽曲ヒット分析」。今週は、欅坂46の6thシングル「ガラスを割れ!」が、曲で購入されるデジタルシングルで3.5万DLを記録。TOP100内にはほか8曲もランクインした。曲で聴かれるアイドルへと進化を遂げつつある。

 欅坂46 の6th シングル「ガラスを割れ!」が、3月7日にフィジカル、デジタル同時リリースされ、それぞれ1位、2位にランクインした。フィジカルは、83.3 万枚の売上を記録。昨今の新鋭アイドルグループのなかで頭1つ抜け出す破格の数字であり、この結果は驚きを持って迎えられた。

 しかし、それ以上に注目されるのは、2位を獲得した配信の週間ダウンロード数だ。フィジカルのような特典のない配信で3.5万DLを記録しており、ロングヒットが多いデジタルシングル(単曲)ランキングにおいて、星野源「ドラえもん」や菅田将暉「さよならエレジー」といったライトユーザーを多く取り込む映画やドラマのタイアップ曲を上回った。

 アイドルグループによるデジタルリリースは少ないため他グループとの比較は難しいが、人気ダンスボーカルグループやロックバンドでさえ、なかなか1週間で3万は超えられないのが現状。そんななかでの3.5万DLは、曲で購入されていること、曲で聴くそれだけの数のファンがついていることを示している。

 今作のリリースにあわせて、NHK『シブヤノオト』、テレビ朝日系『ミュージックステーション』など音楽番組出演のほか、「ガラスを割れ!」はNTT ドコモ『ドコモの学割』『ハピチャン』TVCMソングに起用され、ファン以外のより幅広い層の耳にも触れていた。それらが入口を広げていたことと、聴くものを一瞬で引き込む曲のインパクトがDL購入につながっていたことがうかがえる。

 今週のデジタルシングル(単曲)TOP100 には、「ガラスを割れ!」のほかにも8曲がランクイン。サブスクでも、洋楽ファンが多い「SpotifyWeekly Viral Top25/Japan」で2曲、「Amazon Music Unlimited WeeklySongs Top25」でも2曲それぞれランクイン。「ガラスを割れ!」をきっかけに、ほかの曲も聴かれ始めている。

 昨年末のNHK 紅白歌合戦を経て、認知度と注目度を高めていた欅坂46。今作で1つのブレイクスルーを迎えたと見ていいだろう。

『TBS 系 金曜ドラマ「アンナチュラル」オリジナル・サウンドトラック』(得田真裕)が3 月7 日よりフィジカル、デジタル同時リリースされ、デジタルアルバム12 位にランクインした。

 同ドラマ主題歌の米津玄師「Lemon」はデジタルシングル(単曲)で4 週連続1 位を獲得中。累計DL 数は57.8 万を突破し、まだまだその勢いは衰えていない。

 ほかにも今期ドラマからは、『トドメの接吻(キス)』主題歌「さよならエレジー」(菅田将暉)が1 月7 日のデジタルリリースからロングヒット中で今週4 位(累計14.8 万DL)を獲得したほか、サブスクサービスでは、「LINE MUSIC Weekly SONGS Top25」と「AWA Weekly Playlist Employed Top25」で1 位、「Amazon 〜」で2 位。また、同作サントラからの配信曲で「TO DO ME」と「IF」の2 曲が「LINE 〜」で15 位と19 位にそれぞれランクインしている。

 サントラというと、これまで洋画のアルバムの動向が目立っていたが、ここ最近では、話題のドラマからの単曲をデジタル配信からフィジカルにつなげる流れが増えてきており、ランキングをにぎわせている。

 m-fl o の「the tripod e.p.2」は、収録2 曲のうち、「never」が2 月26 日より、「No Question」が3 月5 日より先行配信がスタート。フィジカルが3 月7 日にリリースされ、今週30 位(0.4 万枚)に登場。同時に「No Question」が14位(0.7 万DL)、「never」が42 位(0.4
万DL)にランクイン。配信2 曲で1万DL とデジタルでの強さを見せた。

Taku Takahashi はネットラジオ「block.fm」を主宰し、若年層に向けて積極的にエッジの効いた音楽を発信しているが、彼らのデジタルアルバム『BACK2THEFUTURETHEALBUM』と『MF10 -10th ANNIVERSARY BEST-』はロングヒット中で今週もそれぞれ11位、25 位。

 いまのm-fl o はかつての30 代のファンだけでなく、配信に親和性の高いクラブミュージック好きの若い世代からも人気を得ているようだ。

提供元: コンフィデンス

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