【週間・楽曲ヒット分析】限定配信戦略も奏功、サブスク&ハイレゾ配信でスマッシュヒット
デビュー発表時には、宇多田ヒカルの「この人の声を世に送り出す手助けをしなきゃいけない」というメッセージも話題を集めた。コメントそのものの力ももちろん大きいが、このニュースに触れたリスナーに、ストリーミング配信を通じてリアルタイムで、宇多田が語った“その声”を届けたみせた戦略によって、コメントの力が最大化されたとも言える。
Spotifyでは日本のみならず、台湾のバイラルランキングにもチャートイン。配信開始以来、国内外800以上のプレイリストにて選曲された。4月25日のアルバム『分離派の夏』発売に向けて、同楽曲がどのように広がっていくのか動向が注視される。
亜咲花は、1月24日発売のシングル「SHINY DAYS」から、TVアニメ『ゆるキャン△』のOPテーマにも起用されている表題曲のハイレゾ音源を1月17日に、mora にて独占先行配信。1月18日16時付で発表された「mora総合シングルランキング」にて1位を獲得。ハイレゾ音源だけでなく通常音源も含めたランキングで、さらにアニソンやJ-POPの楽曲が並ぶなかで「総合1位」を獲得した。
なお、フィジカルCDは2/5付で初動0.2万枚を記録。ハイレゾ音源がそれを大きく上回る結果となった点は大いに注目される。
LINE MUSIC、AWA の、再生回数やプレイリスト採用数を軸とするランキングと、Spotify のバイラルチャートでは上位楽曲が異なるケースが多く、当週でもこれら3つのランキングで上位に入ったのは宇野の楽曲のみ。なお、週間デジタルシングル(楽曲)では初登場7位(1/29付)を記録し、累積では1.2万ダウンロードを記録している。
先にあげた小袋成彬はストリーミング配信限定、亜咲花はハイレゾ配信限定で、好スタートを飾っている一方で、宇野のようにデジタル配信全般を押さえていくケースも興味深い。各サービスでの聴かれ方、広がり方を継続して検証していくことで、デジタル配信戦略のヒントも見つかりそうだ。
LINE MUSICで配信開始と同時に話題を集め、「Weekly SONGS Top25」で5位、楽曲がユーザーアカウントのプロフィール画面にBGMとして設定された回数で集計した「BGMランキング」でも4位を獲得した。
「これがぼくのきもち」はYouTubeで「即興で作った曲」として1番のみ披露済の曲で、未完成ながらYouTubeで700万回以上も再生されている超人気曲。その人気曲の待望のフル尺版ということも、“少しでも早く聴きたい”というニーズを喚起し、LINE MUSICでの視聴に繋がった。
◆週間デジタルシングル(単曲)ランキング