エコと安全だけでは満足できない人に
クロスオーバーモデルの「スバルXVハイブリッド」をベースに、STIが独自の改良を施したコンプリートカー「XVハイブリッドtS」。ちょいワル&ポップなスタイリングとSTIならではのチューニングが織り成す魅力をリポートする。
見た目の派手さに衝撃を受ける
4年ほど前、「ホンダCR-Z MUGEN RZ」に試乗した。ハイブリッドスポーツカーを無限(M-TEC)がチューニングしたモデルである。スーパーチャージャーを装着してノーマルより約30%パワーアップしていた。リアには大仰なウイングが取り付けられ、いかにも走り屋向けというルックスである。足まわりも固められていて、走ってみるとゴーカート感覚。ワインディングロードではついつい飛ばしてしまったが、思いのほか燃費はよかった。
その後「ホンダNSX」も発売され、ハイブリッドカーが高いスポーツ性能を持つことに意外性はない。ごく当たり前のパワーユニットとして認識されているのだから、エコカーとしての性能を維持したまま走りを追求するのは自然である。スバルXVハイブリッドtSは、ハイブリッド、SUV、走りの楽しさという3要素を併せ持つ欲張りなクルマだ。スバルのモータースポーツ部門を担うSTIがチューニングを手がけているというのは、ファンにとってうれしいアピールポイントになる。
ただし、パワーユニットには手が加えられていない。エンジンのパワーやトルクの値は通常のモデルと一緒で、モーターアシストも同じである。コンセプトは「Enjoy Driving Hybrid」なのだ。「誰がどこで乗っても気持ちがよく、運転が上手くなるクルマ」だという。要するに、ライトチューンの気軽なクルマなのだろう。そう思い込んでいたから、実車を見て衝撃を受けた。見た目が恐ろしく派手なのだ。
試乗車のボディーカラーは目の覚めるような明るいブルーである。たまたま駐車場で横に止められていたボルボのポールスターカラーとほぼ同じ色だった。いかにもスポーティーな特別仕様車というオーラを発揮していて、選ぶのに勇気がいるカラーだ。しかも、ボディー下端にはこれまた鮮やかなオレンジのラインがあしらわれている。アルミホイールまでオレンジ塗装で、コントラストの強烈さに目がくらむ。...