しなやかな史上最強サルーン
新型「メルセデス・ベンツEクラス」のラインナップに加わった最強モデル「メルセデスAMG E63 S 4MATIC+」に試乗。Eクラス史上最強の612psを誇るスーパーサルーンの走りをポルトガルの公道とサーキットでチェックした。
後輪駆動を廃し全車4WDへ
近年は悲願のスーパースポーツを開発、それを武器にFIA-GT3カテゴリーでのプレゼンスを高めているAMGだが、さりとてお笑いネタにもなったそのブランドネームに古くから親しんできた日本のクルマ好きにとって、それはメルセデスの衣を借りたスーパーサルーンというイメージが強い。
とりわけ多くの人気を得たのが、Eクラスのそれだ。近年はモデルバリエーションも飛躍的に増えており、とりわけCクラスの販売台数は相当なものだが、W210〜W211の世代では大半といっても過言ではない数が上陸したはずである。大きすぎず小さすぎずのサイズ感に比例してのスポーティネスとラグジュアリーの適切なバランス感はそれをオーナードライバーズカーとして求める向きにとってお誂(あつら)えだった。そこに加えて、価格や性能を秘めたるものとする悪目立ちのなさも人気を博した理由だったように思う。
新型Eクラスの登場から1年を置かずしてデビューしたピュアAMG、E63シリーズ。その性能面での最大の特徴は、後輪駆動を廃し全車4WD化されたことだろう。理由は有り余るパワーを吸収し、期待されるスタビリティーを得る上でFRには限界があること、そしてAMGにとっての最大市場である米国の動向も照らしての判断だろう。現に先代にあたるW212系においてはE63シリーズ、販売の過半数が4WDだったという。...