普通って素晴らしい
「ルノー・トゥインゴ」に追加されたエントリーグレード「ゼン」の、自然吸気エンジン+5段MTモデルに試乗。ベーシックであることを突き詰めたフレンチコンパクトには、普通であることの素晴らしさが凝縮されていた。
価格も魅力のベーシックモデル
昨年9月に「ルノー・トゥインゴ インテンス キャンバストップ」に試乗した後の懇談で、MTモデルを追加する可能性があるという話を聞いていた。0.9リッターターボ+EDCも良かったのだが、自然吸気(NA)1リッターとMTという組み合わせには心が躍る。発売時に「サンクS」の名でそうした仕様が用意されていたが、わずか50台の限定だった。今回のグレード追加で、晴れてカタログモデルになったのである。
当初のラインナップは「インテンス」と「インテンス キャンバストップ」のみで、どちらもデュアルクラッチトランスミッションのEDCが採用されていた。インテンスというのは、ルノーのグレード設定では豪華装備の上級版を意味する。今回加わったゼンは、シンプルでベーシックなグレードだ。EDCモデルもあってインテンスより9万円安、MTモデルはさらに9万円安い。価格だけを見ても魅力的である。
もともとシンプルなトゥインゴなので、インテンスと比べて極端に見劣りすることはない。外観ではサイドモールのクロームフィニッシャーが省略されているぐらいだ。オートエアコンやオートライトは装備されないが、どうしても必要なものではないだろう。ホイールがアロイでなくなるのは少しさびしいところ。安全関連についてはまったく同じ装備である。
トゥインゴの魅力は、ミニマムを極めてポップに至った徹底的な合理主義にある。最小限のパワーユニットで、不必要な自動化を取り除いたゼンは、さらに研ぎ澄まされたエッセンスのようなクルマと言ってもいい。自動車の根源的な魅力を感じることができるのではないかと、大いなる期待を抱いて試乗に臨んだ。...