元祖 イケメン系ボルボ
北欧発のスポーツクーペとして1961年に登場した、「ボルボP1800」の最終モデルに試乗。クラシック・ボルボならではのドライブフィールと、半世紀を経ても変わらずに受け継がれる、このブランドならではのこだわりに触れた。
新車同然の1971年モデル
2016年の最後に乗ったボルボは、1971年型のP1800だった。 新車みたいなP1800に乗ってみませんか、というお誘いを受けて試乗させてもらったクルマは、ボルボ・カー・ジャパン木村隆之社長のマイカー。ボルボ・カー東京の東名横浜支店内にできたオールドボルボの整備工場“クラシックガレージ”が仕上げた一台である。
P1800は、1961年に登場した1.8リッターの2座スポーツクーペである。テールフィンを持つ全長4350mmの2ドアボディーは、60年代のマセラティを多く手がけたピエトロ・フルアの作。60年代前半のボルボといえば、ずんぐりした「120」シリーズ(アマゾン)の時代。突然変異のようなよそゆきのスタイリングをまとったワケは、このクルマがアメリカやヨーロッパの新たな輸出市場に照準を合わせていたからだろう。
イエテボリ工場が手一杯だったため、最初の2年間はイギリスのジェンセンモーターズで生産された。ジェンセンは高級スポーツカーメーカーだったが、P1800では品質管理に難があるとされ、1963年春からはスウェーデン生産に変わり、名前もP1800Sにあらためられた。Sは “Sverige”(スウェーデン)の頭文字である。
その後、68年にエンジンを2リッターに拡大したが、1800の車名は変わらず、1973年まで、トータルで4万7000台あまりが生産された。試乗車は1970年に登場した「1800E」。SUツインキャブに代えてEFI(電子制御燃料噴射)を備え、118psから130psにパワーアップしたP1800のファイナルバージョンである。
当時、ボルボはヤナセ系の北欧自動車が輸入していた。試乗車の新車時価格は249万円。一番安い「ポルシェ911」が385万円。「ロータス・ヨーロッパ」が216万円。「日産フェアレディZ」が100万円そこそこだったから、かなりの高額車である。...