気さくにつきあえる“M”
実用的な5ドアハッチバックのボディーに、340psの直6ターボエンジンを搭載した「BMW M140i」。ベーシックモデルの2倍の排気量から、2.5倍のパワーを発生するハイパフォーマンスモデルは、刺激と同時に懐の深さも持ち合わせていた。
排気量と気筒数はベーシックモデルの2倍
こういうクルマを作らせると、BMWはいい仕事をする。コンパクトでパワフル、走って楽しくそこそこ実用的。「ノイエクラッセ」はもちろん、戦前から続くBMWのDNAである。今じゃ堂々たるプレミアムブランドだけれど、M140iのようなモデルを作り続けていることが駆けぬけるバイエルンの精神の表れなのだ。
BMWの中で最もコンパクトな1シリーズに、340psの3リッター直列6気筒ツインスクロールターボエンジンを搭載している。過剰と言えば、そのとおりだろう。ベーシックな「118i」のエンジンは、排気量も気筒数も半分の1.5リッター直列3気筒。最高出力は136psである。ボディーサイズからすればこれで十分で、ダウンサイジングの世の中ではむしろこちらがスタンダードだ。
M140iはバルブトロニックやダブルVANOSといった複雑な技術をふんだんに使ったうえで、BMW M社がモータースポーツ活動で得たノウハウを注ぎ込んで仕上げたモデルである。従来の「M135i」と比べ、最高出力を14ps向上させた。まったく同じチューンのエンジンを持つ「M240iクーペ」にはMTモデルがあるが、M140iに組み合わされるのは8段ATだけ。MTで乗りたければ、日本ではクーペを選べばいい。4枚ドアのM140iはファミリーカーとして使うことも不可能ではないモデルなのだから、ATを優先したのは妥当だろう。
見た目だってこれみよがしな派手さはない。バッジを見なければ、ハイパフォーマンスモデルであるとは気づかない。奥ゆかしいところに好感が持てる。...