模範的で革新的
5.2リッターV10エンジンを搭載した「ランボルギーニ・ウラカン」が、より走りを高めた「ウラカンEVO」に進化。高性能モデル「ペルフォルマンテ」譲りの心臓を得た“ベビー・ランボ”の走りを、バーレーンのインターナショナル・サーキットからリポートする。
いまだに人気が衰えない
台数ベースでは対前年比で51%増と販売絶好調のランボルギーニにあって、最も売れた銘柄はなにか。てっきり「ウルス」効果だろうと思いきや、そのデリバリーは2018年下半期からで、半年分しか数字は乗っていない。
では、2018年に最も売れたランボルギーニは? といえばウラカンだ。2014年のデビューから4年がたってもなお、対前年比5%の販売増となった原動力は、ハイパフォーマンスグレード「ペルフォルマンテ」を追加したことにあるだろう。現在、ウラカンにはこのペルフォルマンテを頂点に、スタンダードの「LP610-4」、あえてMR(2WD)のドライビングを楽しませる「LP580-2」と、3つのラインナップが用意されている。
この中で、原点であり中核でもあるLP610-4が初となるビッグマイナーチェンジを受けた。そのアップデートぶりがいかに大幅なものであるかは、ランボルギーニ自らがウラカン“EVO”と唱える辺りからも察することができるだろう。
ウラカンEVOの機能的進化点は、大きく3つに分けられる。うち、最も直接的なポイントとなるのはエンジンのアップデートだ。平たくいえばチタンインテークバルブやハイマウントのスーパースボーツエキゾーストなど、ペルフォルマンテ用のスペックがそのまま反映された5.2リッターのV10直噴ユニットは、前型比で30ps高い640psを8000rpmで発生。最大トルクも600Nmの大台に乗せている。実はこのパワーが若干ながら前型よりも低回転で得られている辺りも、最新のチューニングの功(こう)といえるだろう。このエンジンに組み合わせられるドライブトレインは多板クラッチ式センターデフを持つ電子制御4WD、トランスミッションは7段DCTと、この辺りの構成は従来と同様だ。...