Mの好きにはさせない!
BMWのオープントップスポーツ「Z4」の新型がいよいよデビュー。先代モデルよりもクルマ全体の洗練化が進んだ一方で、ボディーサイズはさらに拡大……。果たしてその運動性能は!? 試乗を通じてまだ見ぬ“姉妹車”にも思いをはせた。
立ち位置はソリッドなスポーツカー
エンジニアに話を聞く限り、どうやらBMWにとってZ4というモデルはなかなか悩ましいもののようだ。
というのも、「Z3」の流れを受け継いだ初代はBMWなりのライトウェイトスポーツとして打ち出されたのに対して、市場はより高い実用性や快適性を要求。そこで2代目はキャビンやストレージに余裕をもたせた上でメタルトップを採用するも、市場からはクルージングカーになっちゃったと評価されたという。
個人的には先代Z4の適切な穏やかさは嫌いではなかったが、これは“駆けぬける歓び”の最右翼たるキャラクターのモデルにとって、“歓べない”話である。途中、FIA-GT3適合のレースモデルを投入したのは日本のクルマ好きにもなじみ深いだろうが、レギュレーションの変更とともに車体は大きい方が有利ということで「6シリーズ」に取って代わられた。
となると、新しいZ4は再びBMWを代表するソリッドなスポーツカーとして立ち位置を定めるのが自然な流れだ。さすれば「スープラ」の復活をもくろむトヨタとの協業はその絶好の追い風となったかもしれない。ちなみに今回参加した新型Z4の試乗会の場では、トヨタ絡みの質問はすべて本社広報側にブロックされた。いわく、それは彼らのステートメントを待てと。当然といえば当然だ。だからここから先で時々書いてしまうであろうトヨタだのスープラだのという話は、全部僕の臆測とか妄想とかということでご容赦願いたい。
新型Z4のディメンションは前型に対して、全長が85mm長い4324mm、一方でホイールベースは26mm短い2470mmとなっている。そして全幅は74mm広い1864mm、全高が13mm高い1304mmだ。すなわちホイールベース/トレッド比は1.6を下回るほどスクエア寄りになっており、回頭性を歴然と高めてきたことが伝わってくる。ちなみに現状で判明している90系スープラのディメンションもこれらの数値に酷似しているところをみると、シャシーまわりの基本ジオメトリーはほぼ同一とみて間違いないだろう。その足まわりについてはシャシーエンジニア氏いわく、「CLARプラットフォーム」を用いる新型「3シリーズ」などとはまったく別物だという。...