新時代の幕が開く
ハーレーダビッドソンがラインナップする33機種(!)もの現行モデルの中から、「フォーティーエイト」「スポーツグライド」「ロードグライドスペシャル」に試乗。サイズもライドフィールも異なる3台の走りに、新時代へ向けたハーレーの挑戦を感じた。
バイク界の“異端”
ひと口に「クルマ好き」といっても、日本車好き、ヨーロッパ車好き、アメリカ車好きといった趣味嗜好(しこう)があり、さらにそこから「ドイツ車以外は信頼できない人」「フェラーリこそが神な人」といった具合に細分化されたり、新車派や旧車派といった、別な軸での分類が生まれたりする。
二輪でもそれは似たようなものだが、最初にざっくり分けるなら「ハーレーダビッドソン好き」と「それ以外」というのが妥当だ。「それ以外」の多くの人は、ハーレーダビッドソンとそのオーナーを異教徒のように思っていて、まったく相いれないままバイクライフを送るケースも珍しくない。
考えられる理由は2つばかりある。まずひとつは、それ以外の人にとってバイクに乗ることはスポーツを楽しむこととほぼ同義であり、その象徴としてコーナリング時の、つまり車体をバンクさせた時の一体感にライディングの醍醐味(だいごみ)を見いだしているからだ。
これがハーレーダビッドソンではままならない。構造上、深くバンクさせようとすると車体のあちこちが地面に接地し、パーツとともに気分までもがそがれる。
ハーレーダビッドソンは運動性能で語るべきバイクではない。速さよりも力強さ、軽さよりも重厚さ、俊敏さよりも優雅さ。つまりは情緒に訴える走りを音や手触り、鼓動を通じて表現してきたため、多くのバイクとは本質的に異なるのだ。
そしてもうひとつ。まるで言い掛かりのようだが、モデルごとの見分けがつきにくく、車名が覚えづらいことにもちょっとしたハードルがある。...