オンもオフも 意のままに
ドゥカティ最新のアドベンチャーモデル「ムルティストラーダ1260エンデューロ」。電子制御サスペンションのセッティングを煮詰め、トルクフルな新エンジンを積むことで得られた走りの進化を、本国イタリアより報告する。
バイクが小さく感じられる
ムルティストラーダ1260エンデューロ(以下、MTS1260ED)は、従来モデルと比べてコンパクトになった。そんな印象を受けた。
正確に言えば、それは違う。低くなったハンドル位置に合わせてタンク上面のデザインは変更されたものの、燃料タンク容量はほかのムルティストラーダより10リッターも多い30リッターを維持しているし、乾燥重量は先に発表された「1260S」に比べ13kg重い。スペックだけ見れば、2016年に初めてラインナップされた「1200エンデューロ」と大きな違いはない。しかしMTS1260EDを走らせると、それよりも明らかに小さく感じる。いや、あらゆる車体の動きが手の届く範囲に収まったことで、車体を小さく感じたのだ。
その要因のひとつはエンジンだ。MTS1260EDには、前モデルから64cc排気量がアップした1262ccのL型2気筒が搭載されている。先に発売された1260Sと同型のこのエンジンには、回転数に合わせてシームレスにバルブタイミングを変化させる可変バルブ機構が装備されており、最大トルクこそ以前と変わらないものの、その85%を3500rpmという低い回転域で発生。従来モデルと比較して4000〜6000rpmという常用回転域のトルクが大幅に増大した。これにより、アクセル操作に対して車体をしっかり前に押し出してくれることはもちろん、シフトダウンをサボり、ひとつ高いギアを使用していてもギクシャクすることが少なくなった。...