褒めるほかない
ロールス・ロイス初のSUVは、単なる“SUVブームの産物”なのか? 北米で試乗した「カリナン」は、そんな思いを吹き飛ばすほどの実力と将来性、そして老舗高級ブランドならではのマナーを兼ね備えていた。
多くの顧客が待っている
ロールス・ロイスの新型車を試して、そのファーストインプレッションを報告することはいつも、簡単なようで難しい。
褒めることになるのは、もはや乗る前から分かっているからだ。ことに現行型「ファントム」から使用しはじめた新開発の専用スペースフレーム構造「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」の実力のほどを十分に知った今となっては、その派生モデル第1弾である、ブランド初のSUVカリナンの仕上がりに疑問を抱く理由もなかった。
果たして、全米きっての山岳リゾートにあるセレブリティー御用達の町、ジャクソンホールで試乗したカリナンは、予想通りに素晴らしい乗用車であり、いくつかのポイントでは予想以上の仕上がりをみせてくれた。
リポートを始める前に、「そもそもロールス・ロイスに背の高いSUVなんて必要なの?」という、きっと多くのクルマ好きが思っている疑問に筆者なりの感想を付しておこう。
猫も杓子(しゃくし)もSUVとなったのは、当然「売れるから」だ。かのフェラーリでさえSUVの開発に前向きだという昨今、売れる=望まれているということを忘れてはいけない。そこに実際のカスタマーと純粋なカーマニアとの思いの丈に違いがあったりする。自然吸気エンジンや3ペダルマニュアルトランスミッションの議論と同じ。あえて言うなら、自動運転の是非だって。...