ムードで選ぶな
20年ぶりのフルモデルチェンジでデビューするや、たちまち入手困難となっている新型「ジムニー」。かくも絶大な支持を集める理由はどこにあるのか? その長所、そして短所を、ATの最上級グレードに試乗して確かめた。
エッ、これが軽!?
過去の試乗メモファイルを調べたら、旧型ジムニー(JB23)のステアリングを最後に握ったのは、いまから8年も前の2010年秋だった。
仕事ではないジムニー体験なら、数年前からときどきある。長年「プリウス」に乗っていた兄が、何を思ったか、古いジムニーに乗り換えたのである。先々代(SJ30)の最終型を専門店がほぼレストアしたもので、20年落ちなのに、値段を聞いて、軽い衝撃を受けた。
そんなバックグラウンドの人間が、新型ジムニーに初めて接したのは、スズキの横浜研究所。背の高いスズキ車は、駐車事情の関係でここから貸し出すことになったという。
担当の女性スタッフから試乗車を受け取り、車寄せを出て門まで転がしたところで、アレッと思った。これは白ナンバー1.5リッターの「ジムニーシエラ」ではないか。シエラには乗っていないのだが、これは軽じゃないゾと直感したのである。単純な貸し出しのミスかもしれない。オーバーフェンダーとナンバーの色を見に、外へ出れば済んだのだが、40度近い猛暑だったので、グローブボックスを開けて車検証を確認した。
車検証のサイズやデザインは、たしかに軽だった。「自動車の種別」欄にも、「軽自動車」と明記されていた。という出来事が、20年ぶりにフルチェンジしたジムニーとのファーストタッチである。軽自動車の歴史というのは、「エッ、これが軽!?」という驚きの歴史だと思うが、新型ジムニーほど驚かされた軽はほかにない。...