巧みな“EV風味”
外部充電機能を持たないシリーズハイブリッド車ながら、静かで加速のよい“EV風味”を持つ「日産ノートe-POWER」。200万円を切る手ごろな価格で実現した“ワンペダルドライビング”がもたらす走りとは? 中間グレードの「e-POWER X」に試乗した。
“陰陽”2つの表情を持つ
横浜駅に隣接してそびえ建つ、日産のグローバル本社。横浜のある神奈川県は同社創業の地である。ノートe-POWERの試乗会は、2009年に完成した、この本社ビルをベースに開催された。
参加者はまず、階上ミーティングルームでのプレゼンテーションを受けた後、地下駐車場へと移動してそこからスタート、という流れ。それにのっとって概要説明を受けエレベーターで階下へと下りると、すでに準備の整った同行メンバーがちょうど駐車スペースを後にしようという場面に遭遇した。
スルスルと音もなく目の前を走り去る姿は、なるほどEVそのものだ。このシーンのみを切り取るならば、「電気自動車のまったく新しいカタチ。」という、日産がこのモデルに対して用いたキャッチコピーも“さもありなん”と納得できる。
ところが程なくすると、今度は別のノートがエンジンノイズも賑々(にぎにぎ)しく、柱の陰から現れた。「こっちは“エンジン車”だナ」と当初は思いつつ、フとその後ろ姿に目をやると、そのテールゲートには「e-POWER」のエンブレムが燦然(さんぜん)と輝いているのを発見した。
そう、実はこのノートも同一モデル。ただし、こちらは駆動用バッテリーの充電レベルが下がり、発電用エンジンが通常車両のアイドリングを大きく上回る回転数で稼働した状態だったのだ。
実はこれこそが、e-POWERの“陽と陰”の2態となる。前出キャッチコピーはもちろん、「エンジン稼働中の状態には目をつむったもの」に他ならないのだ。...