無限の魂が宿っている
ホンダのミドシップ・マイクロスポーツカー「S660」をベースに、無限が独自の改良を施したコンプリートカー「S660 MUGEN RA」。モータースポーツ直系のノウハウが注ぎ込まれた、660台限定のチューンドカーの走りを報告する。
サーキットの香りがする
「無限」という言葉を聞いて、ホンダのワークスチューナー的存在である同名のブランドを思い出さないクルマ好きは皆無であろう。1973年の設立当時から、ホンダの二輪/四輪のチューニングパーツの開発と販売を行い、過去においてはホンダの後を受け継ぎF1エンジンの開発をも担当。2003年に現在のM-TECにリソースを移管したが、そのDNAは不変。すなわち、ホンダの二輪/四輪車両をベースにレーシングクオリティーでパフォーマンスアップを行い、運転して、そして所有して楽しめるクルマを作り上げることに無限の存在価値がある。さらに分かりやすく言えば、その存在とはトヨタのTRDや日産のNISMO、スバルのSTIと同じ。輸入ブランドで言えば、かつてのメルセデスに対するAMG(設立当時は資本関係がなかったものの現在AMGはメルセデスの100%子会社になっている)と同様の立ち位置である。
前述のとおり、かつてはF1を筆頭にさまざまなカテゴリーのレーシングエンジンの開発や、チームとしてレースに参戦していたこともあり、無限とレースのイメージは切っても切れない。よってホンダの正規ディーラーで取り扱われながらも無限ブランドのパーツは、やはりどことなくレーシー。オイルの香り漂う、ツウ好みのアイテムが多い。
そんな無限は、これまでに「シビック タイプR」をベースとした「シビックMUGEN RR」を2005年に、「CR-Z」をベースにした「CR-Z MUGEN RZ」を2012年に限定販売。合法的なチューニングモデルであるいわゆるコンプリートカーをリリースしてきた。今回試乗できたS660ベースのS660 MUGEN RAはその第3弾となるコンプリートマシンである。...