至福の5気筒マシン
モデルライフ半ばのマイナーチェンジが施された、アウディの高性能ハッチバック車「RS 3スポーツバック」。市街地からワインディングロードまで走らせてみると、もはや万能とも思える実力の高さが伝わってきた。
飛ばさなくても“よさ”がわかる
普段は自家用車として1991年製のクルマと付き合っているから、どんな試乗車に乗っても感心する。よくできたクルマだなあ、と本心から思うのだ。最新のモデルなのだから、27年前のポンコツよりいいに決まっている。ただし、欲しくなるかどうかは別だ。高性能だし使い勝手もいいと思っても、それ以上の感想が浮かばないこともある。
今回は、ほんの少し乗っただけで気持ちが動いた。アウディRS 3スポーツバックは見た目に派手さはないし、豪華な装備で飾られているわけでもない。地味めなフォルムのコンパクトワゴンである。「RS 3」を名乗るのだから、もちろんとてつもない強心臓を持つハイパフォーマンスカーのはずだ。でも、そのパワーを思い切り発揮しなくても、間違いなくいいクルマだと確信した。コンビニエンスストアの駐車場でキーを受け取って走り始めると、5kmほど先の高速道路のICに到着する前に心をつかまれていた。
一般道なのだからフル加速などもってのほかだし、交差点を曲がる時以外はほとんどハンドルを動かしていない。それでも、素性のよさが伝わってくる。すべての動作に対する反応に素直さと機敏さが感じられる。高出力のエンジンだが、低速で走っていても一切ギクシャクすることはない。ちょっと買い物に出掛けるという時でも、気後れすることなく普段使いができるだろう。
RSという称号は、アウディの各シリーズで最高峰のグレードを意味する。RS 3は、アウディのラインナップの中で最もコンパクトなRSモデルだ。スポーツバックのメカニズムは、一足先に導入された「RS 3セダン」と基本的に同じ仕様。一番のトピックは、ボンネットの下に横置きされる直列5気筒エンジンだ。...