アウトバーンの国の実用車
「フォルクスワーゲン・パサート」に、2リッターターボエンジンを搭載した「2.0TSI Rライン」が登場。「ゴルフGTI」ゆずりのエンジンとパワートレイン、そしてRラインならではのシャシー制御システムが織り成す走りを試す。
ドイツの人はクロームがお好き
とても乗り心地の硬いパサートである。というのが第一印象であった。ボディーの内外は燦然(さんぜん)と輝くクロームが多くて、戦前の“グロッサー・メルセデス”を思わせる。というのは大げさにしても、ドイツ人はクローム好きだった、ということをあらためて教えてくれる。
クロームの塊のような足元、巨大な19インチのアルミホイールを見てください。ピカピカである。カリフォルニアのある種のホットロッド趣味のようだ。ルーフレールの光り具合もイイ。ボディーのサイドの下の方にもクロームのパーツが貼ってあって、これらが伸びやかなステーションワゴン・ボディーを強調している。
ブラインドテストであれば、筆者はアウディであると信じただろう。ボンネットの面の張り具合や、ボディーの真横を走るリップ付きのラインが利いている。とりわけ段付きのラインは影がラインの下にできて全体をシャープに見せる。陰影礼賛である。
2016年9月6日に追加発売となったパサート2.0TSI Rラインは、これまでほかのグレードと同じ1.4ターボであるにすぎなかった、その意味ではカッコだけスポーティー派だったRラインに、ゴルフGTIのホットな心臓を移植したリアル・スポーティネス充実パサートである。排気量2リッターにターボチャージャーを備えて、最高出力220ps/4500-6200rpm、最大トルク35.7kgm/1500-4400rpmを発生する高性能ユニットを得たのである。
車重1390kgのゴルフGTIに比べて、Rラインのヴァリアントはカタログ値で幕内力士ひとり分の170kg重い。ちょっと大きなボディーのゴルフGTIである。といってよいのかどうか、そのステーションワゴン版であるヴァリアントに乗ってみた。
まずもって外観は、すでに「1.4TSI」で登場しているスポーティーなRラインをベースにしている。この手の文法通りに専用の前後のバンパー、リアのスポイラー、サイドスカートを装着するわけである。けれど、その文法が正しいかどうかは問題ではなくて、問題はカッコイイかどうかである。...