翌日、重要な予定が控え十分な睡眠が必要なときほど、緊張でなかなか眠りにつけないものだ。そんな夜には瞑想やマインドフルネスをもとに考えられたメソッドが効果的だ。自分が安眠できる状況にいると脳に錯覚させ、入眠を促し、睡眠の質を向上させる。睡眠科学者がその具体的な方法を伝授する。※本稿は、メライン・ファンデラール著、國森由美子訳『熟睡力』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
「ここは安心して眠れる環境」
脳にそう錯覚させることが重要
原始人類の夜中の睡眠は、危険がありそうな時にはおそらく浅くなっただろう。安全でない環境と中途覚醒の時間の増加や不安は関連がある。現代の生活では、ネガティブ思考または刺激的な状況が贋の危険を作りだしているのかもしれない。
私たちの脳は、ある状況について考える時でも、実際にその状況にある時でも、同じように反応することが多い。それは時おり不利に働く。ある研究では、恐ろしい状況について考えたり、イメージを思い描くだけで不安が増すことがわかった。睡眠を促すには、周囲が安心して眠れる環境であると脳に思わせることが重要である。
役に立つ方法の一つは瞑想による視覚化だ。自分が安全な場所にいると想像すると、脳は周囲の環境を確認する必要がないという信号を受け取り、警戒を緩める。2018年の研究によれば、自然に囲まれた環境を想像すると不安な気持ちの軽減に特に効果的だという。
自然の中での体験は幸福感をもたらし、ストレスを軽減すると判明しているので理にかなっている。研究の被験者たちは自然環境または都市環境のいずれかにいることを想像するよう指示を受けた。...