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「話が長いのに何も伝わらない人」が会議でやってしまっていること・ベスト1


「構想力・イノベーション講座」(運営Aoba-BBT)の人気講師で、シンガポールを拠点に活躍する戦略コンサルタント坂田幸樹氏の最新刊『戦略のデザイン ゼロから「勝ち筋」を導き出す10の問い』(ダイヤモンド社)は、新規事業の立案や自社の課題解決に役立つ戦略の立て方をわかりやすく解説する入門書。戦略とは何か。変化の時代に、企業は何を問い直すべきなのか。本連載では、さまざまな経営や組織の悩みについて坂田氏に話を聞きながら、同書の考え方を現在進行形の課題へと結びつけていく。

あなたの職場にこんな人はいないでしょうか。

説明は丁寧。資料もよく作り込まれている。情報は網羅され、整理もされている。

なのに、会議が終わったあと「結局、何が言いたかったんだろう」という空気が漂う。

本人は、むしろ「きちんと説明できた」と感じています。だからこそ厄介です。このズレは、どこから生まれるのでしょうか。

以前、大企業のグローバル戦略立案プロジェクトで、こんな場面を目にしました。

フレームワークを駆使して世界市場を構造的に分析し、それをもとに戦略を語る人がいました。論理は整っています。

しかし、聞いている側は全員、途中から迷子になっていました。理由はシンプルです。具体的な話が一切なかったからです。

人は、具体的なエピソードや事例がなければ、頭の中にイメージが浮かばず、理解は深まりません。抽象論だけで理解できるのは、そのテーマについて十分な前提知識や経験を持っている人だけです。

初めて触れるテーマであれば、具体的な話なしに理解することはほぼ不可能です。

「話が伝わらない人」は抽象論で終わっている

皮肉なことに、この罠にはまりやすいのは頭のいい人です。

頭のいい人は、抽象的に物事を整理することに長けています。複雑な情報を短時間で構造化し、シンプルな言葉でまとめることができます。

頭の中には、過去の経験や具体的な事例が大量に蓄積されているため、抽象的な言葉だけでも道筋がつながります。

だからこそ、きれいに整理された結論だけを伝えてしまう。しかし聞き手は、その抽象化プロセスを共有していません。だから話についていけなくなります。

具体的なエピソードから入り、「あ、こういうことか」とイメージを持ってもらったうえで初めて、「つまりこういうことです」という抽象的な整理が意味を持ちます。そして最後に、「だからこうしましょう」という具体的な行動に戻る。

具体から始め、抽象で整理し、また具体に戻る。

この順番こそが、伝わる話の基本構造です。

なぜ「頭のいい人」ほど伝えられないのか?

伝わる人と伝わらない人の差は、結局のところ聞き手を意識しているかどうかです。

伝わる人は常に「この人はどこまで知っているか」「どんな事例なら実感してもらえるか」「この話を聞いてどう動いてほしいか」を考えながら話しています。

一方で、伝わらない人は、自分の考えを整理することに意識が向いています。聞き手の頭の中で何が起きているかは、あまり考えられていません。

これは才能の差ではありません。相手を意識する習慣を身につければ、誰でも変われます。

伝わる話は「具体→抽象→具体」でできている

話す前に、次の二つを確認するようにしてみてください。

まず一つ目は、具体的な事例やエピソードが十分に入っているかどうかです。

自分では具体的に話しているつもりでも、頭の中ではすでに抽象化が進んでいるため、聞き手にはイメージが共有されていないことが少なくありません。だからこそ、意識的に具体的な事例やエピソードを増やしてみてください。

二つ目は、「具体→抽象→具体」の順番になっているかという点です。

エピソードから入り、「つまりこういうことです」と整理し、「だからこうしましょう」と行動に落とす。

この流れで話が設計されているかを、一度見直してみてください。

「具体→抽象→具体」の伝え方をはじめ、ビジネスの現場で使える思考と伝達のフレームワークは、『戦略のデザイン ゼロから「勝ち筋」を導き出す10の問い』(坂田幸樹著、ダイヤモンド社)で体系的にまとめています。

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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