理想の走りを求めて
進化を続ける「トヨタGRヤリス」と「GRカローラ」の、最新バージョンに試乗。硬派な4WDスポーツならではの、サスペンションチューニングの難しさを知るとともに、100台の限定モデル「GRヤリスMORIZO RR」に、そのひとつの回答を見いだすことができた。
間断のない進化に驚かされる
2020年の登場以来、細かな年次改良を繰り返して、進化を続けるGRヤリス。「BORN FROM WRC」のコンセプトが示すとおり、その目的はラリーでの勝利であり、コンペティションマシンとして、こうしたエボリューションを重ねていくのはしごくまっとう。むしろ称賛すべきことだ。とはいえ、2025年4月に「25式」(2025年イヤーモデルの意味)が登場し、同年9月に「エアロパフォーマンスパッケージ」が追加されたばかりだというのに、この2026年3月に、早くも次なる改良版が登場したのには驚いた(参照)。しかもGRカローラにいたっては、「25式」に後期型が登場する強引さだ。
ということで今回は、その「26式」GRヤリスと、2025年11月にバージョンアップした「25式後期」GRカローラ(参照)に試乗。また2026年の東京オートサロンでプロトタイプが公開された、国内100台限定(欧州も100台)の「GRヤリスMORIZO RR」も、富士スピードウェイの構内のみでだが走らせることができた。
最初に紹介したいのは、GRヤリスの26式。試乗は2ペダルとなる8段GR-DAT車からスタートだ。話題となっている「GRステアリング」でのパドルシフトを試すには、うってつけの組み合わせである。
しかし発着場となる富士スピードウェイの「モビリタ」を出て、東ゲート手前の荒れた路面でまず感じたのは、実はステアリングの取り回しではなくて、乗り心地の変化だった。あれっ、こんなに柔らかかったっけ? 段差を乗り越えたときの初期タッチが優しくて、そのあとダンパーが、素早くスッと縮む。今回から「RZ」グレードのタイヤにはブリヂストン製の「ポテンザ レース」が採用されており、その剛性が引き上げられたおかげで、ダンパー減衰力を前後ともに最適化することができたという。タイヤそのものも、ハイグリップタイヤとは思えないほどサラッとしていて、乗り心地が良好だ。
ただ、乗り心地をよく感じる最も大きな要因は、GR-DATだろう。6段MT車に比べて20kg増したフロント荷重が、路面からの突き上げを絶妙に抑えつけている。とはいえ足まわりそのものはハッキリと固めだから、段差だとこれが伸びきる前にドスン! と落ちる。低速域だとその乗り心地は、やっぱりまだまだスパルタンである。...