天井しらず
「ランボルギーニ・テメラリオ」がいよいよ日本の道を走り始めた。その電動パワートレインはまさに融通無碍(むげ)。普段は極めて紳士的な振る舞いを見せる一方で、ひとたび踏み込めばその先には最高出力920PSという途方もない世界が広がっている。公道での印象をリポートする。
目覚めると即、猛獣
分かってはいても、身構えていても、“ギャイーン”とV8ツインターボがかかった瞬間はドキッとしてしまう。そのさく裂感はいかにもランボルギーニながら、これほど豹変(ひょうへん)するハイブリッドも珍しい。モーターによるほぼ無音の電動走行は、新型V8エンジンを劇的に演出するための仕掛けではないのかと勘繰りたくなるほどだ。
最も成功したランボルギーニといわれる「ウラカン」の後を受けて、2024年の夏にモントレーでお披露目されたテメラリオは、皆さんご存じのとおり、ランボルギーニの新世代プラグインハイブリッド車(PHEV)の第3弾である。あのランボルギーニが、いつの間にかラインナップをすべてモーター付きに一新しているのだから、やはり世の中の変化は速い。
そもそも意外と言っては失礼ながら、テメラリオは想像していたよりもずっと快適というか居心地がいい。まず先代にあたるウラカンに比べボディーがひと回り大きくなったことで室内が広くなり(全高も40mmほど高くなった)、窮屈さを感じないことに加え、ガラスエリアが拡大されたおかげで視界も思った以上に良好でルーミーだ。さらに乗り心地もフラットで決してスパルタンではない。1万回転まで回るという新型V8ツインターボに目を奪われがちだが、それ以前にテメラリオは現代的に洗練されているのだ。...