これがアルファの生きる道
世界的に好調な販売を記録している、昨今のアルファ・ロメオ。その人気をけん引しているのが、コンパクトSUV「ジュニア」だ。箱根のワインディングロードでの試乗を通し、その魅力をあらためて確かめた。これが新時代のアルファの生きる道だ。
世界でいちばん売れているアルファ
ステランティスは昨2025年の通期決算で、223億6800万ユーロ(約4兆2000億円)の赤字を計上した。2021年にグループPSA(PSAプジョー・シトロエン)とフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が経営統合してから、通期で最終赤字となるのは今回が初めてといい、しかも、前年にあたる2024年通期が54億7300万ユーロ(約1兆0200億円)の黒字だったから衝撃は大きい。
ステランティスによると、その最大の理由は、注力してきた電気自動車(BEV)の販売が世界的に軟調であることを受けて、投資戦略を転換(=ハイブリッド車の強化)したことによる巨額損失だそうだ。似たような話は、つい最近、日本の某メーカーでも耳にした気もするが、それはともかく。
そんなステランティスでも、個別の業績については好調をうたうブランドはいくつかある。今回のアルファ・ロメオもそのひとつで、7万3000台超という2025年の世界販売は、「前年比20%超の成長」だったそうだ。販売の8割以上を占める欧州市場でも、前年比で31.1%増という明確な成長をみせた。ただ、地域別の伸びでは前年比43.8%増を記録したアジア市場の拡大がより顕著で、これは日本市場での前年比71.4%という数字がけん引役となったとか。
こうした販売台数急増の理由は明白で、欧州では2024年、日本では2025年に発売されたジュニアによる貢献が大きい。ジュニアは2025年末までの約1年半の販売期間で、グローバル受注が累計6万台……ということは、恐らくは世界でいま売れているアルファの半分以上がジュニアということだ。ちなみに、貴重なFR系プラットフォームの純エンジン車であり、販売終了のウワサによって駆け込み需要が盛り上がっていた「ジュリア」と「ステルヴィオ」も、ひとまず2027年まで継続生産されることが公式にアナウンスされた。
いずれにしてもアルファ・ロメオは、少なくとも短期的にはBセグメントSUVとFRレイアウトのDセグメント……という2つの鉱脈で支えられる。その間を(ライバル多数の激戦区ではあるが)商品的に間口の広いCセグメントSUV「トナーレ」が埋めるという現在のラインナップは、アルファの規模でみても、悪くなさそうだ。...