「他人に振り回されてしまう」。そんな悩みを持ったことはないだろうか。他人の言動や評価は、自分ではどうにもできないにもかかわらず、私たちはそこに心を奪われ、疲弊してしまう。人類の叡智である古代中国の老子や、古代ギリシアのストア哲学は、どのような解を与えてくれるのか。※本稿は、文学者の横道 誠『やっぱり人生を支えてくれる宗教の言葉 二〇〇〇年の叡智から私が学んできたこと』(光文社新書)の一部を抜粋・編集したものです。
真理に近づくために
「水」から学べること
多くの宗教は一般に平和を求めるため、他者と折りあいながら生きることを肯定している。道教の『老子』(『老子道徳経』)は、中国の春秋時代に老子(前6世紀〜前4世紀)なる人物によって記されたと伝えられてきたが、この人は伝説上の存在ではないのか、と疑う研究者もいる。いずれにせよ、『老子』にはつぎのように書かれている。...
横道 誠