2026年2月に勃発した米国とイランの紛争を背景に、原油高とインフレ懸念から世界的に金利上昇が続いています。そして、株式市場は「停戦」と「消耗戦」のシナリオ間で大きく揺れ動いています。本稿では、再び高まる「金利とテクノロジー株の連動性」に注目。先行き不透明な相場環境において、AI投資などに支えられたテック株が、市場で「ディフェンシブ」の役割へと転じる可能性について解説します。
金利上昇が株式相場を圧迫する中
株式市場では停戦と消耗戦のシナリオが交錯
2026年2月27日から始まった米国とイランの紛争を受けて原油価格は大きく上昇しました。原油高によってインフレ圧力が高まるとの懸念などから、金利の上昇が続いています。
日本でも、10年国債利回りが2.5%に迫るなど、企業融資や住宅ローンへの影響を懸念する声が大きくなっているようです。このように金利上昇は経済活動にとって大きな影響をもたらし、足元では株式相場を動かす主要因となっています。
4月7日にBNPパリバ・アセットマネジメントは週次レポート「金利の脅威」を公表しました。今回の米国とイランの紛争を受けて、再び金利上昇とテクノロジー株の連動性が高まっていることなどを指摘しています。今回は当調査レポートを要約し、停戦と長期にわたる消耗戦の見方が一進一退となる中での金融市場の動きを見ていきたいと思います。
米国とイランとの間では、4月7日に2週間の停戦が合意され、金融市場では最悪期を脱したとの見方が広がりました。それでも、世界の株式市場は、トランプ米大統領のソーシャルメディアへの投稿やインタビューに反応し、引き続き大きく変動しています。その内容が、終戦交渉の進展に関するニュースであれば株式市場は上昇し、紛争の激化が差し迫っているように見える場合は下落しています。
リスク資産が下落するか反発するかは、「戦争の行方次第」となっているため、今後の見通しは不確実という状況に変わりはありません。
再び高まる金利変動とテクノロジー株の連動性
景気後退への警戒からテック株が「ディフェンシブ」に転じる可能性
しかし、市場動向には変化が生じています。
テクノロジーセクターでは金利変動の影響を特に受けやすくなっているようです。この金利との連動性は、新型コロナウイルスによるロックダウン後に経済活動が再開された2022年に顕著に表れたことがあります。当時は、インフレが再燃し、それに対応して主要国の中央銀行は政策金利を引き上げました。これに伴って、米10年国債利回りは1.6%から4.2%に急上昇しました。一方で、ナスダック100指数は年間で30%超の下落となりました。
そして、イランでの紛争勃発以降、ナスダック市場の金利との逆相関の連動性が再び高まっているようです。
2026年2月27日以降、国債利回りが大きく上昇している一方で、ナスダック100指数は下落しています。しかし、この新たな株式市場の動向は、テクノロジーセクターの見通しが他のセクターよりも明るいことを示唆しているかもしれません。なぜならば、原油価格が大幅に上昇すれば、市場はリセッション(景気後退)を織り込み始め、金利低下につながる可能性が高いとみているからです。金利が低下すれば、テクノロジーセクターは堅調に推移すると考えられます。リスクとしては、戦争が激化し原油価格がさらに上昇すれば、国債利回りが上昇し続ける可能性があることです。
テクノロジー企業の需要は比較的堅調で、AIインフラへの投資を継続する可能性が高いでしょう。さらに、金利低下となれば、テクノロジーセクターは株式市場における「ディフェンシブ」な役割に戻る可能性があると見ています。
本記事は2026年4月18日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。