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ピーター・ドラッカーが言う「本当に良い会社は営業活動を必要としない」の意味とは?


会社を伸ばす社長、ダメにする社長、そのわずかな違いとは何か? 中小企業の経営者から厚い信頼を集める人気コンサルタント小宮一慶氏の最新刊『[増補改訂版]経営書の教科書』(ダイヤモンド社)は、その30年の経験から「成功する経営者・リーダーになるための考え方と行動」についてまとめた経営論の集大成となる本です。本連載では同書から抜粋して、経営者としての実力を高めるための「正しい努力」や「正しい信念」とは何かについて、お伝えしていきます。

マーケティングにおいて重要な考え方の一つに「リレーションシップ・マーケティング」というものがあります。

会社にとって、新しいお客さまを得ることも確かに大事なことです。

しかしそれと同様に、一度お客さまになっていただいた方に、いかにして「一生のお客さま」になっていただくかについて考えることもとても重要です。

私の経験上、ダメな会社というのは、新規営業がうまいのです。

普通なら、新規営業がうまい会社は良い会社だと思われがちですが、そうではありません。なぜなら、新規営業がうまいのは、既存の良いお客さまが逃げていってしまうからです。

せっかくお客さまになっていただいた方が続かないから、新規営業で新しいお客さまを獲得していかないと、会社が潰れてしまうという状況になってしまいます。

だから、新規営業だけは上手なのだけれど、せっかく掴んだ新しいお客さまも、また次々に逃げていってしまうので、また新規営業をしなければなりません。

そして、いずれ新規のお客さまが取れなくなってしまうようになり、会社が傾くというパターンです。

ダメな会社は、新規営業がうまい

言い方を換えれば、良い会社は良いお客さまが長続きします。

ですから、お客さまを見れば、その会社のレベルが分かります。特に、長く続いているお客さまを見ていると、その会社のレベルが測れるのです。友達を見ればその人が分かる、と言われるのと同じことです。

良いお客さまが長く続いている会社は、やはり良い会社なのです。

さらに言うと、新規のお客さまより、長く続くお客さまのほうが、結果的には儲かります。

新しいお客さまを獲得するために、値引きするなど手を替え品を替え、色々な営業活動をするより、本当に自社の価値を分かってくれているお客さまなら、適正価格でずっと商品を買い続けてくれますから、結果的に儲かるのです。

京都のお茶屋さんなどでは、「一見客お断り」という店があります。

それは、別に良い格好をしているわけではなく、商売を続けてきた長い歴史の中で、既存のお客さまをより大切にするほうが、結果的には儲かるということを知っているからです。

私はコンサルタントとして、色々な会社を見てきましたが、大抵の会社は営業会議などでは新規営業の成績を言いたがります。そのとき、必ず確認しておかなければならないのは、既存のお客さまの売り上げが、どれだけ上がっているのか落ちたのか、ということです。

一番良いのは、新規のお客さまが増えながら、既存のお客さまの売上も上がっていることです。

しかし、ダメな会社のほとんどは、新規営業の売り上げは上がっているのに、今まで続いている既存のお客さまの売り上げが下がっていたり、既存のお客さま自体が大きく抜け落ちている、という事態になっています。

コンサルタントもそうですが、もちろん経営者も、既存客の売り上げがどのくらい落ちているかを見極めておく必要があります。

実は、それこそが会社の実力のバロメーターなのです。会社のことをよく知っているお客さまの評価だからです。

さらに最も望ましいのは、既存のお客さまが、別のお客さまを紹介してくださること。

これが、一番の「信用」だからです。

ピーター・ドラッカー先生は「本当に良い会社は営業活動を必要としない」と言っています。

どういうことかというと、自社が提供する商品やサービス、言い方を換えればQPSが本当に素晴らしいものであるなら、商品、サービス自体がお客さまにとって最高の「広告塔」となるからです。

(本稿は『[増補改訂版]経営者の教科書 成功するリーダーになるための考え方と行動』の一部を抜粋・編集したものです)

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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