カニかま級の大発明
ホンダの2ドアクーペ「プレリュード」が復活。といってもただのリバイバルではなく、ハイブリッドシステムや可変ダンパー、疑似変速機構などの最新メカニズムを搭載し、24年分(以上!?)の進化を果たしての見事な復活だ。果たしてその仕上がりは?
伝統を引き継がないという伝統
およそ四半世紀ぶりに復活したホンダのスペシャリティーカー、6代目プレリュードと対面したのは、朝ぼらけの中央道富士吉田線の谷村PAで、だった。このSUVの全盛のさなか、タイパだのコスパだの……という時代に、2ドア+リアゲートの2+2クーペがニッポンの自動車メーカーから提案されたのであるからして、これをことほぎたいと思うのは筆者も同じである。
フロントは「トヨタ・プリウス」に似ており、後ろ姿はリアフェンダーの膨らみがちょっとばかしポルシェっぽくセクシーで、これを可とすべきか、いや、5代続いたプレリュードの伝統であるノッチバックを引き継ぐ手法もあったのではないか……と外野、というよりはフィールド・オブ・ドリームスの外の人である筆者は勝手にそう思う。しかしてホンダには伝統を引き継がない。という伝統がある。テールゲートはあるほうが実用性が増すこともまた確かだ。
もうちょっとたつと、憧れのカタチになり、2代目のCMで使われたラヴェルの『ボレロ』、あるいは新型のCMでも流れている3代目のCMの『地下室のメロディー』の鮮烈な音楽が見た瞬間、聞こえてくる……ようになるやも知れぬ。
大きなドアを開けて乗り込む。着座位置は低い。とはいえ、乗り降りに苦労するほどの低さではない。コックピットは見慣れたホンダのそれだ。全幅1880mmとモダンなプロポーションのため、室内幅はかなり広く居住空間に窮屈感はない。
プラットフォームは「シビック タイプR」がベースで、前1625mm/後ろ1615mmのトレッドはタイプRと同じだ。ただし、2605mmのホイールベースは130mmもカットされている。ホイールベース/トレッド比は「これまでのホンダのスポーツモデルを参考にしながら直進安定性と旋回性能を両立できる比率に設定」した、と公式発表にあるように、新型プレリュードのそれは1.6と、「NSX」(2代目)の1.58に近い数値に仕立ててある。...