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高市首相の「ワークライフバランス発言」を批判する前に考えるべき、「世界最下位の従業員エンゲージメント」という事実


「構想力・イノベーション講座」(運営Aoba-BBT)の人気講師で、シンガポールを拠点に活躍する戦略コンサルタント坂田幸樹氏の最新刊『戦略のデザイン ゼロから「勝ち筋」を導き出す10の問い』(ダイヤモンド社)は、新規事業の立案や自社の課題解決に役立つ戦略の立て方をわかりやすく解説する入門書。企業とユーザーが共同で価値を生み出していく「場づくり」が重視される現在、どうすれば価値ある戦略をつくることができるのか? 本連載では、同書の内容をベースに坂田氏の書き下ろしの記事をお届けする。

日本の労働時間は本当に長いのか?

高市首相の「ワークライフバランスを捨てる」という発言が一部で取り上げられ、議論を呼んでいます。

かつてテレビCMにあった「24時間働けますか?」というフレーズを覚えている方も多いかと思いますが、日本は一般に「世界でも有数の長時間労働国家」と見られがちです。

しかしOECDの調査によると、2023年の日本の年間労働時間は1,611時間で、G7の中ではカナダ、アメリカ、イタリアに次ぐ4位となり、中位にあたります。労働時間が最も短いドイツの1,343時間と比べると長く感じますが、日本はOECD加盟国の平均(1,742時間)を下回っています。

「馬車馬のように働く」というイメージとは異なり、意外な結果と言えるでしょう。

労働時間だけで議論するのは、もう時代遅れ

いま議論すべきは、単なる労働時間の長短ではありません。

たしかに、かつての「モノづくり」の時代には、労働力の投入量が生産性に直結していました。しかし現在は、モノづくりから「コトづくり」、さらには人や組織が共に意味や体験を生み出す「場づくり」へと軸が移行しています。

こうした「場づくり」の考え方は、すでに各地で実践されています。

たとえば、コープさっぽろでは地域コミュニティという「場」を支えるための取り組みが行われています。移動販売車などを活用した買い物難民対策は、単なる買い物支援の枠を超え、販売員と利用者、さらには利用者同士が交流する“つながりの場”として機能しています。

ここで生まれているのは、単なる経済的価値ではなく、人と人との関係性から立ち上がる社会的な価値です。

基本的に、“働く”とは、他者と関わり合いながら価値を共創する行為です。労働時間の長さを議論するよりも、その時間をどれだけ有意義なものにできるかが、いま問われています。

エンゲージメントの低さこそが、日本企業の致命的課題

本質的な問いは、なぜ日本の職場が「働きにくい」と感じられているのかという点にあります。

「日本企業の従業員エンゲージメントは世界で最も低い」と言われていることは、ご存じの方も多いかと思います。

これは単に職場の“やる気”の問題ではありません。生産性やイノベーション力、ひいては国際競争力に直結するきわめて深刻な課題です。

その背景には、終身雇用や年功序列、上意下達といった昭和型の労働文化が、現在の多様で流動的な時代に適合しなくなっていることがあります。

これからの時代、企業には「タテの支配構造」ではなく、「ヨコの共創関係」に基づくチーム作りが求められています。

さらに、共創の“場”は同じ企業やグループ内だけにとどまるべきではありません。

デジタル革命によって業界の垣根が取り払われ、国境さえも容易に超えることができるいま、異業種の企業、スタートアップ、新興国の大学など、異なる知見を持つ主体と連携し、柔軟に機能拡張していくことが、これからの経営において不可欠な視点と言えるでしょう。

『戦略のデザイン』では、エンゲージメントを高めるために必要な「関係性の再設計」について、具体的な事例を交えて詳しく解説しています。

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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