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日本とサウジの未来を懸けた石油交渉の美学、“ヤマ師”太郎の譲歩と視座【アラビア石油を創った男】


裸一貫から一代でトヨタ・松下・日立を超える高収益企業「アラビア石油」を作った破格の傑物、山下太郎――。日本のエネルギー自立を懸けたサウジアラビアとの石油利権交渉で、太郎率いる交渉団は厳しい条件を突きつけられる。重い負担を受け入れつつも、太郎は「日本法人であること」だけは譲らず、未来を見据えた大局的な視点で交渉を主導。目先の利益にとらわれず、国家の自立と新たな国際関係構築を目指した。この連載では、山下太郎の波乱万丈の生涯を描いたノンフィクション小説『ヤマ師』の印象的なシーンを取り上げ、彼の大胆な発想と行動力の核心に迫る。

サウジ側から提示された
厳しい契約案

灼熱のアラビア半島で、日本のエネルギー自立を懸けた石油利権交渉が動き出しました。相手はサウジアラビア政府。太郎たち交渉団には「どこを譲らず、どこで折れるのか」、そして「今だけでなく未来を見据える視点を持てるか」が試されていました。

サウジ側から提示された契約案は、決して甘いものではありませんでした。

(1)探鉱利権のレンタル料は年額500万ドル(18億円:当時)とする。
(2)利益の取り分は、ロイヤルティ(開発利権料)、税金を含め、最低50%とする。
(3)石油の生産販売会社はサウジアラビア法人とする。
(4)掘削、生産、輸送、精製を含めた一貫操業を行うこと。

当時の国際石油業界では「利益折半」が常識とされるため、法外というわけではありませんが、資本金35億円の会社にとって、年間18億円の利権料と半分の利益配分は、明らかに重い負担でした。そもそもサウジ政府は欧米の石油メジャーの言いなりになることからの脱却を目指し、新たなパートナーとして日本に期待をかけ、石油利権の話を持ち掛けてきたのです。だからこそ彼らも好条件を求めていたのです。

作戦会議の席上、予想以上の厳しさに交渉団のメンバーが言葉を失う中で、太郎は静かに語り始めました。...

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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