「赤字企業は買うな」は正論だが…それでも応援したい時の“唯一の方法”
ベストセラーとなっている『5年で1億貯める株式投資 給料に手をつけず爆速でお金を増やす4つの投資法』の著者・kenmoさんと、新刊『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略」』の著者・宇根尚秀さんによる特別対談をお送りする。新NISA(少額投資非課税制度)で、大人気の「オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)」や「S&P500(米国株式)」に連動する投資信託を始めた多くの個人投資家に、次の一手となる個別株投資を指南。個人投資家とファンドマネージャーによる「ここでしか語れない話」を繰り広げる。
短期的な利益追求から
子どもたちの未来を見据えた投資へ
宇根尚秀(以下、宇根) 私は子どもが生まれてから、この子たちの将来はどうなるのだろうか、と考えるようになりました。そこから、金融市場が短期的な視点に陥ることで生じる「外部不経済」とでも言うべき問題、例えば環境問題などについて、強く意識するようになったのです。
この先5年、10年、20年後の社会にとって良いことよりも、目先の半年や1年、長くても2〜3年の利益を優先し続けることは、結局のところ子どもたちの世代に負担を強いることになると感じるようになりました。
経営者との対話で問う
「社会にとっての価値」
宇根 こうした考え方の変化は、私自身の投資スタイルにも影響を与えています。もちろん、従来通り四半期決算のモデルを作成し分析も行いますが、それと同時に、株式の発行体企業の経営者と1時間じっくりと向き合う時間を設けるようになりました。
そして、「あなた方が考える企業の存在意義とは何ですか」「この社会に対して、自社が貢献できることは何ですか」といった本質的な問いを投げかけ、深く議論することを重視しています。特に中堅・中小企業に対しては、このような対話を丁寧に続けるようにしています。
しかし、すべての投資家が同じスタイルである必要はないと考えています。短期であれ長期であれ、利益を追求することや、市場の流動性を高めること自体、市場機能の向上に貢献する正しい行為だと私は思っています。しかし、特に長期目線の大きな投資家は、企業の社会的インパクトについて経営者と対話できる存在であるべきです。
中小型株市場においても、そうした投資家が増えていく一助となりたいと考えています。これはファンドとしての方針であると同時に、私個人の投資においても同様に大切にしている視点です。
「握力」が続く投資とは?
社会課題解決への共感
kenmo 私も宇根さんと基本的に同じ考え方です。例えば「ビットコインを買いました」といったような、短期的なマネーゲームには、結局「握力(=長期保有する力)」が続かないのです。自分の大切なお金を投じるうえで、社会的な意義が見出しにくいと感じてしまいます。
ですから、ポートフォリオ(資産構成割合)の中では、何らかの形で「社会課題を解決する」という文脈を持つ企業が、やはり大きな割合を占めるべきだと考えています。そこに高い技術の成長がともなえば、なお良いですね。
どちらが先か、鶏と卵の議論に似ていますが、「社会課題を解決する取り組みをしているからこそ、製品やサービスが売れ、リピートにつながる」のか、「EPS(1株当たり利益)が上がるから株価が評価される」のか。これらは両輪で回っているように感じられます。
社会課題を解決するからこそEPSが向上していく、そうした企業に投資するほうが、精神的にも健全ですし、自分のお金を託す価値があると思っています。...