もっと遠くへ
日本のモーターサイクルのなかでも、屈指のハイテクマシンである「ヤマハ・トレーサー9 GT+ Y-AMT」に試乗。高度な運転支援システムに、電子制御トランスミッション「Y-AMT」まで備えた先進のスポーツツアラーは、ライダーを旅へといざなう一台に仕上がっていた。
シフト操作はバイクにお任せ
オフィシャルサイトにて「最上の週末に、出会う」とうたわれるヤマハ・トレーサー9 GT+ Y-AMTは、大型自動二輪のオートマ免許で乗れるバイクである。ライダーの左手と左足の代わりに、トランスミッションと組み合わされた電子制御のアクチュエーターがギアを変えてくれる。
この仕組み、自動化されたクラッチについてはホンダの「E-Clutch」と同様だが、ホンダ車は左足によるギアチェンジの操作が必要で、またあえてクラッチレバーを残すことで、いつでも通常のMT車に復帰できるようになっている(そのためAT限定免許では乗れない)。それと比較して、クラッチレバーそのものをなくしてしまったのがヤマハのY-AMTだ。右手でスロットルをひねるだけで、速度に応じて自動でシフトアップされ、停車前に速度を落としていくと、自動でシフトダウンされる。つまり、完全なオートマライドが可能となる(ボタンによるマニュアル操作もできる)。
Y-AMT初体験の自分がとまどったことは2つ。ひとつはやはりクラッチレバーがない点で、停車時にバイクを押して動かそうとしたとき、クラッチを切ろうとしてしばし途方に暮れた。MT乗りの人は、習慣的に1速に入れてバイクを止めませんか? もうひとつは、市街地でタイトに曲がりたいのに、物理的に半クラッチが使えない点。これは、フットブレーキを利かせながら曲がるのがコツだったようだ。
……といったグチをこぼすのがばからしいほど、Y-AMTは個人的にありがたいトランスミッションだった。...