大きな価値がある
フルモデルチェンジによってF74の開発コードを得た新型「BMW 2シリーズ グランクーペ」。ラインナップのなかでハイパフォーマンスモデルに位置づけられる「M235 xDrive」を郊外に連れ出し、アップデートされた第2世代の仕上がりと、その走りを確かめた。
経営戦略的に重要なモデル
BMWのコンパクト4ドアといえば、カーマニア的には、なにはなくとも「3シリーズ」だろう。3シリーズは1975年の発売から、少なくとも2000年代初頭まではBMWのエントリーモデルであり、しかも伝統のFRレイアウトとお約束の直列6気筒エンジンを、今も守り続けている。3シリーズを「もっともBMWらしいBMW」と断言するカーマニアは多い。
とはいえ、現在のBMWのエントリーモデルは車名に「1」や「2」を冠するシリーズだ。2004年に出た「1シリーズ」や2010年の発売の「X1」の初代モデルはまだFRレイアウトだったが、2014年にBMW初のFF車である「2シリーズ アクティブツアラー/グランツアラー」が出て以降は、FFレイアウトのBMWが一気に増殖した。そのひとつとして2019年に登場したのが「2シリーズ グランクーペ」である。
BMWのエントリーモデル群のなかで、もっとも安価で手軽なのはハッチバックの1シリーズで、もっとも今っぽいのはSUVのX1だろう。そして、もっとも実用的なファミリーカーといえば2シリーズのアクティブツアラーか。
これらと比較すると、この2シリーズ グランクーペは、少なくともカーマニア的に、その本質がちょっとつかみにくいBMWであることは否めない。“BMWのコンパクト4ドア”というキャラクターでは、BMWの絶対的存在(2024年度も日本で一番売れた)である3シリーズともかぶるから、なおさらだ。
ただ、北米、中国という世界の2大自動車市場ではハッチバックの1シリーズは販売されておらず、2シリーズのグランクーペが伝統的乗用車スタイルのエントリーBMWとなっている。グローバルでみると、このクルマは、日本のカーマニアがいだいているイメージよりは、BMWの経営戦略的に重要な位置を占めている。...