進化するアイコン
ロー&ロングな、ハーレーダビッドソンの本流ともいうべきスタイルを守り続ける「ブレイクアウト」。日本でも圧巻の人気を誇る一台は、2025年モデルでどんな進化を遂げたのか? 排気量1923ccのVツインを搭載した、優雅で豪快なクルーザーの魅力に触れた。
人気のスタイルを変える必要はない
先日話をした20代の女性ライダーが、「いつかハーレーに乗りたい」と言っていた。「ハーレーっていってもいろいろあるけど、どれ?」とラインナップを見せたところ、指さしたのがブレイクアウト。若いライダーには、これぞハーレーといったロー&ロングなスタイルや、幅広いリアタイヤの迫力がグサッと刺さるらしい。「いつかこれ(ブレイクアウト)に乗りたいなあ」と目を輝かせる様子に、やっぱり日本で絶大な人気を誇る車種なんだなあと思った次第である。
そんなブレイクアウトが、2025年モデルで大きく進化を遂げた。基本的なイメージはそのままだが、大きく変わったのは「ミルウォーキーエイト117」の“カスタム”エンジンを搭載したことである。外観ではライトやメーター周辺のデザインが若干クラシカルな雰囲気になり、新色のグラフィックが採用された程度だが、人気モデルであれば外観の変更はこれくらいにとどめておいたほうがいいという判断だろう。
実はこの試乗の前、同じハーレーのクルーザーファミリーに属する「ローライダーST」にも乗っていた。こちらもミルウォーキーエイト117を搭載しているが、現在、このエンジンには3つの仕様違いがあり、ローライダーSTに搭載されるのは最もパワフルな“ハイアウトプット”で最大出力114HP、最大トルク173N・m。それに対してブレイクアウトの“カスタム”は、103HPと168N・mだ。
その数値から「ブレイクアウトのほうがおとなしいのかな」と思って走りだしたが、実際は違った。スムーズにレブリミットまで回るローライダーSTに対し、ブレイクアウトは低回転から実に力強く加速する。Vツインの鼓動感も強くダイレクトである。これは、最大トルクを3000rpmという低い回転数で発生するから。いっぽうのローライダーSTは4000rpm。最高回転数が低いエンジンで、この1000rpmの差はメッチャデカい。...