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【伝説的アスリートが語る】加齢による「衰え」を乗り越える思考法


超一流スポーツ選手に共通する「思考法」を学び、ビジネスに活かすための1冊『超☆アスリート思考』が発売された。この記事では、同書にも登場する、オリンピック柔道史上初の3連覇を成し遂げた野村忠宏さんに、「結果」と「プロセス」のどちらか大事かについて語っていただいた。(インタビュー/金沢景敏 構成/前田浩弥)

――野村さんは『超☆アスリート思考』の中で、次のような趣旨のコメントを残していますよね。

「若いころは、オリンピックで戦えないのであれば、柔道を続ける意味はないと考えていたけれど、度重なる怪我に肉体の衰えという現実を前に、もはやオリンピックには出られないことを受け入れたうえで、戦い続けることを選択した。真剣勝負の世界は、結果がすべてだが、その結果以上に、そこへ向かうプロセスに奥深い意義があることを知った」

この言葉の真意を、改めて教えていただけませんか? 「結果を出す」ことにとことんこだわって努力する、そのプロセスにこそ人生の満足はあるという意味でしょうか?

「プロセス」と「結果」は、どちらが大事か比べるようなものではない

これは丁寧に説明する必要がありますね。
というのは、「結果より、結果に至るまでのプロセスが大事」という言葉をよく聞きますが、私は正直、この言葉にあまり賛同できないからです。

実は、学生時代の自分は「結果に至るまでの小さなプロセスの積み重ねが大切だ」と信じ、一日一日、「今日も頑張った」「今日は、全体のプロセスのここまで進んだ」と振り返っていました。

しかしそれでは、一向に勝てるようになりませんでした。「一日一日、プロセスを進める」ことが目的になり、「最終目的地」を見失っている練習が続いたからです。

「プロセスとは何か」と問えば、それは「結果を出すため」のものでしょう。それ以上でもそれ以下でもありません。「結果を出すため」に、「プロセス」がある。両者はそもそも、どちらが大事かを比べるようなものではないのです。

「チャンピオンになる」という明確な目的のもと、「チャンピオンを目指す競技者として必要ではないもの」を排除し、律する日々を送ることで、私は勝てるようになりました。

明確な目的をもち、その目的を達成するために必要なことをやり、必要ないことはすべて排除する。この「目的収束思考」に徹して邁進すれば、そのプロセスは自ずと素晴らしいものなっているはずです。

しかしそのプロセスが「素晴らしいもの」であったかどうかがわかるのは、目的を達成してからなのです。

オリンピックに出られなくても、「目指すもの」がなくなるわけではない

ただ、年齢とともに「目指すもの」は変わります。
全員が全員、死ぬまで第一線で輝いて生きられるかといったら、そうではありません。誰もみんな平等に衰えはきますし、できることも少なくなってきます。エネルギーでも、新しいことの吸収力でも、若い人には叶わなくなってきます。

そこで腐り、若いころの栄光を語って「何も目指さなくなる人間」になるのか、それとも「今の自分」なりに、新しいチャレンジや出会いを求め、「何かを目指す人間」になるのか。そこには雲泥の差があると私は考えています。

2008年、北京オリンピックへの出場が絶たれた後も、私は現役を続けました。
度重なる怪我に加え、肉体の衰えも隠し切れなくなり、「もうチャンピオンを目指すことはできない」と覚悟しました。「かつてのような華やかな舞台にはもう戻れないのか」と思うと、寂しくなる思いもありました。

ただ、私には「柔道を極めたい」という、新たな「目的」が芽生えました。
肉体が全盛期のように動かなくなる中で、その分、柔道を深く考えるようになりました。

新たなチャレンジや新たな出会いが増え、「チャンピオンになる」ことを目的として柔道に精進していたころよりも、もっと柔道のことがわかってきたと感じるようにもなりました。

たとえオリンピックに出られなくても、私が柔道に対して「目指すもの」は決してなくならない。そして明確な目的がある以上、そこに向けて邁進することができる。

これが、私が見つけた「結果を出す」ことよりも大切なことなのだと、私はそう考えています。(野村忠宏さん/談)

(このインタビューは、『超?アスリート思考』の内容を踏まえて行いました)

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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