これは民主化されたレーシングカーだ!
アウディスポーツのレーシングマインドを具現したスーパースポーツカー「R8」。いまや貴重ともいえる自然吸気のV10ユニットを搭載する4WDスポーツの実力を、あらためて富士スピードウェイで解き放った。
その実力をサーキットで解放
アウディのフラッグシップスポーツであるR8。その高性能版であるV10プラス5.2 FSIクワトロに、サーキットで試乗することができた。とうとう610psのパワーを、全開で路面にたたきつけられる日が来たのである。
そのステージとなったのは、国内最長の1.5kmに及ぶストレートを持つ富士スピードウェイ。ただし当日はアウディのカスタマー用のイベントプログラムにわれわれジャーナリストの試乗も組み込まれていたため、セッション数が2回と少なかった。また超高額車の習わしとしてだろう、プロドライバーによる先導車が付く試乗形式とされたことから、その最高速もメーター読み260km/h付近、正確に言えば「パナソニック看板からアクセルオフ」というシチュエーションでしか試せなかったことを、最初にお断りしておこう。
しかしそれでも、とてもオープンロードでは試せない領域のチェックが少なからずできたつもりなので、それをみなさんに熱くお伝えできればと思う。
まずR8で感心したのは、速度が上がるほどに高まる快適性だった。ロードユースで若干の硬さを感じたサスペンション、もっと言えば20インチで30偏平というハイトの低いタイヤのサイド剛性は、しかるべき速度域でR8の速さを支えるためのものだったということが、この試乗でハッキリと証明された。...