センスよく 華がある
大胆なフェイスリフトにマイルドハイブリッドの追加、そして「エスプリ アルピーヌ」の設定と、話題が多かった「ルノー・キャプチャー」の大幅改良。筋金入りのフランス車好きは、これをどう見るか? 長年にわたりルノー車を愛顧する“専門家”が語る。
この道30年以上の愛好家が語る
マイナーチェンジを受けたルノー・キャプチャーのアピールポイントは、いろいろある。なかでも個人的には、一新された顔つき、マイルドハイブリッドのパワーユニット設定、エスプリ アルピーヌの追加……の3点が目立っていると思う。日本車やドイツ車と比較して購入するような一般的なユーザーなら、どれも歓迎すべきポイントだろう。エッジの効いたフロントマスクは日本人好みだと思うし、マイルドハイブリッドによる実燃費の改善もありがたい。アルピーヌというブランドが加わったことも、価値を高めていると感じられる。
ではコアなフランス車好きにとってはどう映るのか? 参考になるかどうかはわからないけれど、この国のクルマと付き合い始めて30年以上になる僕の、個人的な印象をつづっていきたい。
まずフロントマスクは好印象だ。これまでルノーブランドのチーフデザイナーを務めてきたローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏がグループ全体を見る立場になり、代わりにプジョーからきたジル・ヴィダル氏がブランドのチーフデザイナーになったのが一新の理由だというが、ひとことで言えば建築物っぽいのがいい。
アッカー氏が見ていた時期のルノーは、ダイナミズムを前面に押し出していた記憶がある。でもその前にチーフデザイナーを務めていたパトリック・ルケモン氏の作品は、建築っぽかった。僕が20年以上所有する「アヴァンタイム」も好例だ。その前にルノーのデザインを統括し、4年前に残念ながらこの世を去ったロベール・オプロン氏も、彼が描いた当時のフラッグシップ「25(ヴァンサンク)」を例に出せば、共通するものがあると理解してもらえるのではないだろうか。
いずれにしても、新しいキャプチャーのデザインは、1980年代から2000年代にかけてのルノーの雰囲気に近づいたような感じがする。
それでいて懐古趣味というわけでもない。ヴィダル氏がルノーに入ってから発表された、新しいロザンジュのエンブレム、電気自動車(BEV)として生まれ変わった「ルノー5(サンク)E-TECHエレクトリック」もそうだが、新型キャプチャーもフロントのエンブレムから左右に波紋が広がるようなグラフィックなど、かなり凝っている。
彼がこれからどんなルノーを描き出してくれるのか、個人的にも楽しみだ。...