これが日産の底力
「日産セレナAUTECHスポーツスペック」をワインディングロードでドライブ。その成り立ちを簡単に説明するならば、上品に飾り立てたセレナAUTECHに、さらに走りのチューニングを加えたスポーティーなミニバンということになる。結果からお伝えするとこの“スポーティー”はまぎれもない本物だった。
ノートとセレナとそれ以外……
苦境が続く日産。その不振の一因は地場である日本市場での脆弱(ぜいじゃく)なラインナップだといわれている。社販の使える中の人々でさえ「買いたくなるクルマがないんすよ」とボヤいていたくらいで、確かに2010年代の後半などはあからさまにスカスカな時期もあった。
ちなみに現在の国内販売動向をみると、「ノート」とセレナはほぼほぼベスト10の常連だ。直近ではダイハツの生産再開もあってトヨタの「ライズ」と「ルーミー」がどかんと数を伸ばしている、それに押し出されるかたちでセレナは12位に沈んだが、それでも対前年同月比は9%増で「ノア」と「ヴォクシー」の間にきっちり割って入っている。ノートを含めての販売状況をみるに、報道風評も含めて不振の痕跡は感じない。
むしろ問題はそれ以外がまるで手薄なことにあって、SUVの「エクストレイル」と「キックス」は対前年同月比で5〜6割、そして突然「フェアレディZ」が登場と、ベスト50以内に入るのは以上5車種。ちなみに数的にはスズキと同じだ。ノートつながりなら小型のピープルムーバーやSUV、セレナつながりなら大型ミニバンなど、売れ筋のオルタナティブな選択肢がお留守に等しいことが、釣果的に丸損となっていることは想像に難くない。
そこに是正が加わるとしても間違いなく1〜2年は今の顔ぶれで戦わなければならないわけで、それもあってか日産としてはノートとセレナの販売強化の一環でバリエーション追加に余念がない。そこで援護射撃にフル活用されているのがNMC=日産モータースポーツ&カスタマイズが擁するブランドであるNISMOとAUTECHだ。...